皮革職人
茂垣 行信さん
(草加市清門町在住・38)
地球規模で展開している環境を守る取り組み。茂垣さんは自然にも人間にもやさしいランドセル「エコランド」を開発し、昨年9月、(財)日本環境協会から皮革部門でのエコマーク第1号の認定を受けた。
皮革製造は草加市の地場産業だが、「同じ地場産の草加煎餅(せんべい)に比べたら認知度は低いですね、なんとかアピールしたかった」その思いで取り組んだのがエコランド。停滞気味の業界に喝! を入れた。
エコランド誕生にはもう1つ、秘話がある。長女明夏(あすか)ちゃんが翌08年、小学校入学を控えていた。「飛び切りの入学祝いをしてあげたい、そう思ったとき、エコランドが思い浮かんだんです」なめしに始まる工程からホルムアルデヒドや重金属類などの有害物質を回避・抑制し、協会が設定した環境基準をクリア。「ランドセルに親の思い、メッセージを込めました」
3年前、「娘に父親の働いている姿を見せたい」とサラリーマンを辞め、07年4月にランドセルを造る(株)メシエジャパンを立ち上げた。家は代々革に携わり信行さんは三代目。「祖父は浅草でベルト造りの親方で、父はファッションバッグを造っています」父親・隆生さんの“造る姿”にも多大な影響を受けたという。その姿をいま2人の娘に見せている。
草加の皮革製造で使用されているのは豚革。茂垣さんのエコランドは牛革。草加に新しい“革風”も吹き込んだ。
そのエコランドはまだ発売されていない。「協会の摩擦テストと違い、子供は何をしでかすかわかりません。6年間の使用に耐える製品をという思いがあるので、検証期間が必要なんです。そのうえで本格的に売り出したいと思っています」小学1年生の明夏ちゃんは知らずにお父さんを手助けしている。
父・隆生さんのバッグ一筋人生に敬意を表し、息子は新製品に取り組んでいる。小物入れ(バッグ)とスニーカーを合体させた「スニッグ」。「スニーカーで育った世代はおもしろがってくれるのでは」と言い、毎年3月に開催されている「レザーフェスタ」でのお披露目を心待ちにしている。
(秋保 洋征)
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