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よみがえれ!少年野球・越谷の教諭ら応援組織設立

 プロ野球が開幕し、甲子園の選抜高校野球もたけなわだが、少年野球、とりわけ中学野球の人気が今一つ。危機感を抱いた越谷市の中学教諭らが、4月1日、「野球の街越谷実行委員会」を設立した。サッカーなどに比べ、中学の野球部員は減少の一途。3校連合で1チームができるケースも。不人気の原因には、用具や衣類代などに費用がかかるという側面もある。同実行委はこうした課題の解決に取り組み、野球の楽しさを未経験の子どもたちに知ってもらうイベントを積極的に催し、女子野球の普及にも努めるという。関係者は「越谷を“野球のまち”に」と意欲を燃やしている。
 同実行委設立を呼びかけたのは、同市立大袋中学校の野球部顧問、長瀬翼教諭(34)。甲子園出場経験のある同教諭によると、市内15中学校の野球部で現在、単独チームは12校。残り3校でようやく1チームを構成している。市内の小学生野球チームは、約25年前に150あったのが今では34チームに激減しているという。
 スポーツや娯楽の多様化をはじめ、地上波テレビのプロ野球中継の減少や、長時間の練習などを子どもたちが嫌う傾向などが背景にあるという。さらに、「野球に興味があっても、グラブやバット、ユニホームなど用具や衣類購入に費用がかかることが、入部へのハードルを高くしている」と指摘する。勢いサッカーやバスケットボール、卓球など「野球と比べて費用負担が少ない」(同教諭)スポーツが人気を呼んでいるとみる。
 こうした中、昨年8月、同教諭が子ども会育成連絡協議会や少年野球チームの監督、高校硬式野球部監督らに呼びかけ、メンバー13人で実行委を立ち上げることになった。昨年12月、越谷市民球場で、幼児から小学6年生までの野球未経験者を集めたイベント「埼玉baseballフェスタin越谷」を開催したところ、968人が参加し、保護者アンケートでは、「子どもに野球をさせたい」と考えている人は64・7%に上っていた。
 大きな手応えを得た同実行委準備会は、4月9日午前10時30分から、同市大竹の民間の屋内運動施設「M2 SPORTS FIELD」で「よしもとエンジョイベースボールin越谷」(吉本興業主催)を開いて、未経験者(5歳~小学4年)対象にボールの投げ方、打ち方のレッスンをする。講師は、お笑いコンビ・トータルテンボスの藤田憲右さん(46)と西武や巨人で活躍した元プロ野球選手の片岡保幸さん(39)。
 長瀬教諭は「用具などは実行委員会などで購入して、場合によっては部活動を支援していきたい」とし、「経済的な負担をかけまいと親に気をつかって、好きな野球を断念する子らに、さまざまな支援をして野球人口を増やしたい」と話す。
 最近は女子野球も注目されており、4月中には市内初の女子中学生のクラブチーム「埼玉SUNレディース越谷」が誕生する予定という。
 同実行委は今後、キャッチボールのできる場所(公園など)の確保などを行政にも働きかける。長瀬教諭は「越谷は市民球場はじめ、他市に比べ野球施設が整っている。野球は長くプレーできる生涯スポーツ。野球を越谷の文化として定着させたい」と話す。
 「エンジョイベースボール」イベントの参加費は2500円。定員40人で申し込みはメール(yoshimoto.baseball.rev0619@gmail.com)で。