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草加/子ども読書推進で表彰

図書館ボランティア草加

 「子どもの読書活動推進フォーラム」(主催・文部科学省、国立青少年教育振興機構)が4月23日、東京・渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで行われ、草加市の市民団体「図書館ボランティア草加(L.V.S.)」(野田圭介代表)が「子供の読書活動優秀実践団体(個人)」として文部科学大臣表彰を受けた。発足25周年という節目の年の表彰に、野田代表(68)は「今後も市立中央図書館と協力し、多くの子どもの笑顔に出会えるように励んでいきたい」と気持ちを新たにしている。

文部科学大臣表彰を喜ぶ中島さん、野田代表、羽賀さん (左から)

読み聞かせや布絵本制作

 これは、子どもの読書活動に対して特色ある実践を行っている学校や図書館、個人・団体を表彰するもの。今年度、県内の団体 (個人) では唯一の表彰となった。

 同団体は、2018年度から23年度までの「草加市子ども読書活動推進計画」に基づき、中央図書館による読書活動推進の取り組みに貢献。さらに、昨年度からスタートし、27年度までの第二次同計画でも同図書館と連携し、活動の幅を広げていることから、同図書館が推薦し、審査を経て今回の表彰に至った。

 同団体を推薦した鈴木智美・元館長は「市民と図書館が共働し、二人三脚で運営を担っていたことが高く評価されたのではないか」と分析し、「自分事のようにうれしい」と話した。また、野田代表は先人が築き上げてくれた道に感謝しつつ、「後進育成が鍵」と強調し、「コロナ禍が収束してから若手など新しい人材が入ってきたことは喜ばしい」と述べた。

 同団体は、2000年に中央図書館が東武スカイツリーライン「獨協大学前」駅前に開館すると同時に、「本が好き」「図書館が好き」という人々が集まり発足。図書館が市民に愛され発展することを願い、子どもの読書推進をはじめ、さまざまなサポート活動を続けてきた。現在、会員数は約150人に上る。

 同団体内には、子どもたちに絵本や紙芝居の読み聞かせを通じて本を読む楽しさを伝える「キッズサポート部」、傷んだ絵本や児童書の修理、返却された本の配架や書架整理などを行う「ブックサポート部」、子ども向けの布絵本や指人形、タペストリーなどを制作する「布絵本を作る会」がある。また、外国籍市民への日本語や日本文化の学習支援等で、図書館の利用や異文化の理解にもつなげる「にほんごひろば」、視覚障害者に新聞の社説やコラムを録音し、CDに編集して届ける「音訳サポート部」がある。さらに、同団体の活動や図書館からのお知らせなどをまとめ会報として発行する「広報部」、ホームページや掲示板による情報発信や会員同士の交流を深め、図書館と協力してイベントなどを開催する「集まれ❢ 交流の会」の7部会があり、それぞれが図書館と連携して積極的に活動を続けている。

 今月6日には同図書館で乳幼児や小学生とその保護者を対象とした「じどうしつまつり」を実施。運営で参加した「布絵本を作る会」元部長の羽賀恵美子さん(73)と「キッズサポート部」部長の中島弘味さん(55)も、野田代表と共に表彰の喜びを分かち合っていた。

 この表彰は、01年に文科省が4月23日を「子ども読書の日」に定めたことがきっかけ。翌年から毎年、同センターでフォーラムを開催し、特色ある優れた実践を行っている団体などを表彰している。今年度は全国で262件を表彰。このうち団体 (個人) は48件で、県内では同団体が唯一表彰された。