草加市

草加/新任市職員が土のう作り

草加で水防訓練

 豪雨などに備えた草加市の「水防訓練」が9日、同市瀬崎の瀬崎グラウンドで行われ、新任職員ら約100人が土のう作製や土のう積み、水消火器による消火を体験した。

2人組になり、土のうを作製する草加八潮消防組合の職員と市職員


 市では出水期に入る6月を前に、浸水被害防止時に市民に配布する土のうの補充も兼ねて、30年ほど前から市職員による約1000袋の土のう作製を実施している。

 訓練には、今年入庁した人やまだ水防訓練を受けていない2年目の職員、指導に当たる建設部職員、草加八潮消防組合の職員らを始め、市と災害協定を結んでいる草加市建設業振興会やサンキョーのアミューズメント施設「SAP」の従業員も参加。参加者たちは準備運動の後、4班に分かれ、2人1組で作業に当たった。指導職員から作製時の注意点などを聞き、約15立方㍍の川砂から約1000袋の土のうを作った。作製した土のうは浸水被害防止のための水防活動に使用するほか、希望する市民に配布される。一昨年は大雨による道路冠水などもあり、1年で350袋ほどが利用されたという。


 また、今年は初めて土のう積みにも挑戦。土のう袋の弱点である縛り口を隠しながら互い違いに階段状に並べ、ブルーシートで覆って水の侵入を防ぐ壁を作る工程を学んだ。特に「水の流れてくる方向に底を向けて置く」という説明を真剣な表情で聞いていた。

 土のう訓練に参加した職員は「災害時には今日のことを思い出して実践したい」「水の強さに対抗する時の積み方を教えてもらったが、土のうが意外と重かった」などと話していた。


 この日は山川百合子市長も参加し、開会式で「訓練時にスピードを持って真剣に取り組んでいただくことが災害時の迅速な行動につながる」と述べ、「災害対策時には最前線に立つことを忘れないでほしい」と強調した。

開会式で挨拶する山川市長


 同市建設管理課では「土のうは今後、起きるであろう集中豪雨や台風時に有効活用させていただく」とし、「ひとたび災害が発生すれば、課の枠を超えて災害対策を行う必要がある。対策には事前準備が必要と同時に、日頃から心構えを持ってほしい」と述べた。

 また、水消火器を使用しての消火訓練も昨年に続いて実施され、新任職員の防災意識の向上に役立っていた。