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草加/4高校司書 連携し〝推し本〟

草加・図書館 将来への道しるべに

 草加市内の県立高校4校の司書による〝推し本〟を紹介する展示が14日から、同立中央図書館 (矢島高館長) 3階の一般室テーマ本コーナーで始まった。7月まで続けられる。

〝推し本〟を選定した市内県立高校4校の司書、 釜萢さん、伊藤さん、横山さん、手塚さん (左から)


 これまでは各校の生徒による図書委員が3か月交代で推し本を展示してきたが、今年度はこれまでと趣向を変え、4校が連携して推し本を紹介することに決定した。しかし、図書委員の決定が4月下旬になることなどから、今回は本職の司書である横山史江さん(草加)、手塚日菜さん(草加東)、伊藤亜紀さん(草加西)、釜萢亮さん(草加南)の4人が担当した。

 今回のテーマは「高校司書の〇〇な本」。「銀河鉄道の夜」 (宮沢賢治) や「人食い花レストラン」 (松谷みよ子責任編集、かとうくみこ絵、怪談レストラン編集委員会編) などの「子どもの頃呼んだ本」、「化物語」 (西尾維新)や「そして誰もいなくなった」 (アガサ・クリスティー) などの「中高生の頃呼んだ本」、「十角館の殺人」 (綾辻行人) や「レインツリーの国」(有川浩)などの「生徒によく薦める本」、「白鯨」 (ハーマン・メルビル) や「幼女戦記」 (カルロ・ゼン) などの「挫折した本」の4部門に分け、計16冊を展示。

 それぞれの司書が部門ごとに1冊ずつ選定し、本には題名や作者名、出版社名などのほか、オススメポイントなどを書いたポップを貼付。また、司書のプロフィルも公開しており、その人物像が垣間見えるコーナーとなっている。


 横山さんは「これまで展示していた生徒の気持ちを知ることができた。本もバラエティーに富んでいておもしろい」と言い、手塚さんは「これまで本を読んできたそれぞれの歴史が詰まっている。自分が知らない本もあり、読んでみようと思った」と話した。また、伊藤さんは「若い感性があるうちに多くの本を読んでほしい。将来について悩む子の道しるべになれば」と言い、釜萢さんは「我々が挫折した本にも挑戦してもらいたい。他の司書と話し、司書としてどうすべきか改めて考えるきっかけになった」と述べた。

 元同館館長で、現在は主査として現場を切り盛りする鈴木智美さんは、「各校とコラボした推し本は生徒だけでなく大人にも借りられている」と指摘。「昨年の利用登録者数は一昨年より16・5%向上した」と喜んでいる。