三郷市陸協の5人
三郷市陸上競技協会の「マスターズ陸上部門」に所属する会員が、五種競技や投てき五種競技の混成競技で次々、日本記録を樹立している。記録を樹立したのは55歳から91歳の計5人。これほど多くの会員が短期間に日本記録を打ち立てるのは珍しい。同部門の講師を務め、自身も昨年、投てき五種競技で日本記録を樹立した駒崎秀雄さんは「混成競技は1日で5種目を行う厳しい競技ながら、練習量や気力で衰える体力や技術力をカバーしている」と強調。「孤独な戦いだが、互いに励まし合う仲間の存在も大きい」と話している。

日本記録を達成した大兼さん、小勝さん、芝野さん、鈴木さん (前列右から時計回り)
研究・練習熱心さ成果に
日本記録を樹立したのは年齢順に、門井光男さん (91)、小勝康雄さん (81)、大兼茂子さん (80)、鈴木真喜子さん (55)、芝野恭子さん(55)の5人。
門井さんは5月6日、東京都八王子市で行われた「第33回東京マスターズ混成五種競技大会兼記録会」の五種競技・M90クラス (男性・90~94歳) に出場。走り幅跳び2㍍71、やり投げ17㍍27、200㍍55秒79、円盤投げ12㍍82で、1500㍍はDNF (途中棄権) となったものの、合計1741点を獲得し、堂々の日本記録となった。
芝野さんは同大会で五種競技・W55クラス (女性・55~59歳) に出場。80㍍ハードル14秒32、走り高跳び1㍍21、砲丸投げ6㍍10、走り幅跳び3㍍85、800㍍2分59秒36で合計3121点を獲得し、大会新記録を更新した。
一方、小勝さんは4月6日に茨城県石岡市で行われた「第66回茨城マスターズ陸上競技記録会」の投てき五種・M80クラス (男性・80~84歳) に出場。ハンマー投げ17㍍58、砲丸投げ8㍍10、やり投げ26㍍94、重量投げ (持ち手から球までの長さが短い、ハンマー投げと似た競技) 8㍍39、円盤投げ17㍍68で合計2227点を獲得し、同じく日本新記録を更新した。
鈴木真喜子さん (55) は同記録会で投てき五種・W55(女性・55~59歳)に出場。ハンマー投げ26㍍93、砲丸投げ8㍍27、やり投げ21㍍75、重量投げ8㍍61、円盤投げ18㍍で合計2375点を獲得し、日本新記録を更新した。
また、大兼さんは昨年9月、北海道帯広市で行われた「第11回北海道マスターズ投てき及び第8回跳躍競技大会」で投てき五種・W75 (女性・75~79歳) に出場。ハンマー投げ18㍍54、砲丸投げ6㍍79、やり投げ10㍍84、重量投げ6㍍37、円盤投げ15㍍02で合計2099点を獲得した。事務の手違いからか記録が出ていなかったが、今年3月に改めて記録が発表され、賞状が手元に届いた。
大兼さんは「昨年7月から競技を始め、記録が伸びるのが楽しかった」、小勝さんは「70歳で入部し、投てき五種は初挑戦だったが、以前、30年程やっていたソフトボールの延長みたいなもの」と話した。また、鈴木さんは「昨年は結果が振るわなかったのでうれしい。80代になっても挑戦し続けたい」、芝野さんは「一つずつ丁寧に集中して競技に臨んだ」と喜んだ。さらに誰もが、「講師である駒崎さんのおかげ。今後も練習に励み、記録を伸ばしたい」と話していた。
駒崎さんは「皆の研究・練習熱心さが成果につながった。「課題や挑戦欲を持つことがさらなる記録更新につながる」と激励した。