草加市の札場河岸公園内で5月18日、松尾芭蕉翁像の「お身拭い」が行われた。

山川百合子市長は「長い年月をかけて紡いできた歴史を後世に残してもらいたい」と述べ、雑巾を手に芭蕉像に積もったほこりなどの汚れを拭き取った。市民らも後に続き、芭蕉像が終わると、近隣するおせん公園の河合曾良の像もきれいに拭き上げた。
旅立つ芭蕉の姿に扮した草加宿神明庵運営協議会の青柳優会長 (82) は、「1都13県、2400㌔に及ぶ『おくのほそ道』が世界遺産になれば、地方文化の起爆剤となり、地方ににぎわいを創出する」と指摘。「この芭蕉像をシンボルとし、パワースポットとしてまちづくりに生かせればありがたい」と述べた。



お身拭いは、江戸時代の俳人、芭蕉が弟子の曾良を伴い「おくのほそ道」の旅に出立した5月16日を記念し、毎年、旅立ちの日の前後に同協議会と草加市奥の細道市民推進委員会の共催で行われている。今回は昨年より多い約80人が参加した。
芭蕉像と曽良像を手がけた彫刻家の麦倉忠彦さんが今年1月に89歳で亡くなったことを受け、お身拭いに先立ち黙とうが捧げられた。