越谷市

越谷/もう一つの沖縄戦 高校生ら語り継ぐ

「ハテルマシキナ」輪読会のチラシ
「ハテルマシキナ」輪読会のチラシ


 太平洋戦争末期の沖縄で、マラリア発生地に強制疎開させられた波照間島の住民が次々に罹患(りかん)して命を落とした悲劇を題材にした少年長編叙事詩「ハテルマシキナ」の第3回輪読会が8日(日)午後1時から、越谷駅東口の越谷ツインシティA2階ふれあい広場で開かれる。越谷、三郷、草加市から28人の高校生、短大生が参加し、この「隠れた沖縄戦」を語り継ぐ。
 今は一掃されているが、八重山諸島の一部には昔からマラリア発生地域があり、「八重山熱」として恐れられていた。にもかかわらず、波照間島の住民は有病地の一つだった西表島に疎開を強いられその多くが死亡したことから、平時のマラリアと区別して「戦争マラリア」と呼ばれる。
 この実話を取り上げた少年長編叙事詩「ハテルマシキナ―よみがえりの島・波照間島―」(桜井信夫著、津田櫓冬画)が1998年、越谷市にある「かど創房」から出版された。越谷の朗読ボランティアは「ハテルマの会」を結成し、約10年間、輪読を続けてきた。(株)エフエムこしがやはこの実話を多くの人に知ってもらいたいと、沖縄が本土復帰50周年を迎えた2022年に輪読会を企画、公開収録して、後日、「こしがやエフエム」(FM86・8㍋・㌹)で放送したところ、大きな反響を得た。今回は開局10周年記念事業として公開収録する。
 同社代表で実行委員会の越野操さんは「戦後80年の節目にぜひもう一つの沖縄戦に思いをはせてほしい」と話している。
 参加・観覧無料。問い合わせは同エフエム☎940・7542。