吉川のプラ成形会社 デザインした学生らに

吉川市は、第75回全国植樹祭の記念品「もみ殻カップ」を市と若者×企業の連携によって進めてきた。5月19日同市役所では、製作を行ったプラスチック成形会社「コーワプラス」(塩入英明代表取締役)と、デザイン提案を行った東京農業大学の林隼輝さん(21)、県立吉川美南高校の野口統真さん(17)、高橋夢翔さん(17)、岡田皓補さん(17)に完成品が披露された。
林さんは、「大学で学んだことを生かしながら、まずは地元で貢献できるものはないか」と行動を起こし、パッケージデザインを担当した。木に水をやってやがて大きくなり、周りの人も増えていく「人の輪をつなげていくこと」のイメージを提案したと言う。
一方、カップのデザインを担当した岡田さんは、稲作が盛んな同市では廃棄されるもみ殻の一部が野焼きされていると知り、さらにもみ殻カップの存在を知って友人の高橋さん、野口さんと計画に名乗りを上げた。そして、カップを製作している同社を見学し、「二酸化炭素を減らして世界がきれいになり、(市のイメージキャラクター)なまりんと地球が手を取り合っていく」ことのイメージを提案したと言う。「もみ殻のことなどたくさん学べた。デザインできてうれしかった」と口をそろえた。
同カップは、昨年の同市「ものづくりアワード」で、エコで着目点がいいとして優秀賞を獲得した。口を付けるとほんのりもみ殻の香りがし、軽量で、「なまりん」が描かれたデザインもかわいいと評判で、同市立中曽根小学校の卒業記念品にもなった。今年の全国植樹祭の記念品に選出されたのも、吉川の風土と同社の技術が詰まった自慢の商品だからだ。
9月には同高校の文化祭でも販売する予定で、岡田さんは「学校でもPRして、吉川の技術を全国に広めたい」と話した。
同社の塩入代表は「子どもたちに『もみ殻のきせき』と名付けてもらった。全国植樹祭の記念品では若手が集まり、違うストーリーが生まれた。研究開発を重ねて、特別な日の皿など他にも製作できたら」とうれしそうに話した。
また、中原恵人市長は「製作にあたり、関わってくれた皆の共動の心と情熱に感動をもらった。今後も市と若者×企業の共動により、未来が生み出される企画をしていきたい」と話した。
同カップは、吉川の特産品を販売している吉川駅北口の「ラッピーランド」で販売されている。
