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越谷/エペで全国選手権準V フェンシングに期待の星

「宿敵倒して優勝目指す」 越谷の外賀選手

フェンシングの全国大会優勝を目指す外賀選手
フェンシングの全国大会優勝を目指す外賀選手

 越谷市立大相模中1年の外げ賀か桜おう祐すけさん(12)が、小学校6年生だった今年2月に静岡県で行われた「全国小学生フェンシング選手権大会」の5・6年男子エペ個人戦部門で準優勝を飾った。小学生での集大成となる大会で好成績を納め、中学生での戦いに大きな弾みをつけた。5月に行われた「東日本少年個人大会」では別の種目フルーレで、負けはしたもののライバルをぎりぎりまで追い詰めた。外賀選手は全国大会優勝を目標に、週6日遠方まで足を運び、練習に熱を入れている。
 全国小学生選手権にNOVAフェンシングチーム(東京)所属で出場した外賀選手は、予選ラウンドに当たるプール戦で5戦全勝し、第4シードでトーナメント戦に進出。初戦は不戦勝だったが、その後、10|3、9|4、10|6と順調に勝ち上がり、準決勝を9|5で制して決勝にコマを進めた。東郷フェンシングクラブ(愛知県)の恵濃煌芽選手との最終戦は手に汗握る接戦となり、7|10で惜しくも敗退したが、堂々の準優勝だった。
 兄と姉2人の4人きょうだいの末っ子で、負けん気の強さは人一倍。「始めた頃は負けることが多くて、よく泣いていた」と父の寛明さんは話す。始めたきっかけは、習い事を探していた時に母の幸恵さんが「フェンシングの体験会」を見つけてきたことだった。体験会は楽しく、小1で始めることになった。
 フェンシングの楽しさは「剣が交わるところ、相手とのやり取りが楽しい。戦略を考えるのが好き」と外賀選手は話す。「幼い頃からパズルとか図形が好きで、先を読むのが得意だったこの子の持つ感覚的な行動だと思う」と寛明さん。さらに、「手が器用で、剣を使うアームワークは人よりすごいと褒められてきた」とも話す。
 練習は週6日。世田谷区用賀にあるNOVAフェンシングチームや川口市、千葉県松戸市の練習場に、学校が終わってから電車で通う。午後9時まで練習で、帰りは深夜近く。それでも頑張るのは目標があるからだ。当面の課題は足腰の強化だ。習ったことや試合の感想をびっしりと書き込んだフェンシングノートは3冊目に入った。日々課題を見つけることで力がつき、試合でも結果が残せるようになってきた。
 小2の時に「中日本フェンシング大会」のフルーレで準優勝。小3で「豆フェンサーRyo杯」優勝、小4では「第60回中日本フェンシング大会」準優勝、「杉並区民大会祭フェンシング競技」優勝と、早くから頭角を現した。その頃、北京五輪で日本代表監督を務めた江村宏二コーチに出会い、手ほどきを受けるようになった。昨年4月には「東日本少年個人大会」でエペ2位となり、エペデビューを飾った。今はフルーレとエペの両方で戦う二刀流だ。
 最近うれしかったのは、5月の大会でライバルの永野龍生選手を追い詰めたこと。「練習の成果が出たと笑う。目標はフルーレもエペも中3の全国大会で永野選手に勝って優勝することだ。そして「いつかオリンピックに出場できたらうれしい」と、身長148㌢の小柄な外賀選手は、あどけない笑顔の裏に秘めた闘志を見せた。