越谷のシルバー人材会員 緑道2か所で

越谷市の美しいサクラを守るため、同市シルバー人材センターが年々増殖するサクラの外来害虫「クビアカツヤカミキリ」の捕殺に乗り出す。対象エリアは市内で初めて発見された蒲生東町の葛西用水緑道0・6㌔と川柳町の八条用水緑道1・2㌔。今月2日から7月18日までの月・水・金曜の21日間実施する。
同カミキリの捕殺は同市環境政策課が業務委託した。同課では昨年まで、職員がパトロールや近隣への呼びかけをしてきたが、防除対策を強化するため委託に切り替えた。
蒲生東町を担当するのは、同センター会員の大熊実さん(75)と本多玲子さん(66)だ。自宅が近く、いつも散歩していることから名乗りを上げた。2人で区域内を1往復して監視する。同カミキリを見つけたら、雌雄の判断をするためカメラで成虫を撮影し、靴や石などでつぶし捕殺する。業務終了後はメールで同課に写真を送り、発見記録表を提出する。
初日は、同課の高橋主査と吉富主任が業務内容を説明した。持ち物は発見記録表と捕獲網。同カミキリは木の幹の高さ0・5~2㍍にいることが多いため、木の周囲をぐるりと見回してほしいと伝えた。幼虫は木の内部を食べながら2~3年過ごし、サナギから成虫となって出てくる。気温が高いほど活発で、木から出てすぐに交尾可能なことが増殖の原因だ。手がかりはふんと木くずが混ざったフラスの有無だ。木から出ていれば中に幼虫がいる。1本に複数の幼虫が侵入すると、内部は激しく食害を受けて枯死することもある。
日本では2012年に愛知県で初めて発見された。13年に草加市と八潮市を流れる葛西用水沿いで被害が確認され、17年には越谷市でも確認された。環境省は18年、急激な被害拡大が懸念されるとして「特定外来生物」に指定した。23年度までに県内延べ37市町村で被害が報告され、同市では昨年、約180匹を捕殺した。
「蒲生東町緑道でも今年、30匹以上は出ると思われる。温暖化が進んでいるので6月上旬からの警戒が必要だ」と吉富主任は指摘した。高橋主査は「成果が出れば他の場所の委託も検討したい」と期待を寄せた。
大熊さんと本多さんは「よく見て探したい」と話した。同課では、サクラ、モモ、ウメが近くにある住民らに目撃情報の提供を呼びかけるとともに、同カミキリを見つけた場合は捕殺し連絡してと話している。
<連絡先>
越谷市環境政策課☎963・9183
