親子で収穫、食育にも
吉川市にある｢こうろくファーム｣(曽我直久人担当)と｢田園ファーム｣( 高鹿訓子代表)は、｢収穫｣＋｢食｣＋｢くつろぎ｣の三つを一度に味わえる新しい体験型農業事業を始める。第１弾は｢玉ネギ｣がテーマだ。農業は肥料、燃料、資材などの高騰で厳しい環境が続き、独自性、希少性、継続性の経営改善が求められている。そこで考え出されたのが違うものを生産している農家同士のコラボだ。
｢こうろく｣は野菜、果物の生産加工を主軸に、玉ネギ、サツマイモ、ジャガイモなどの収穫体験、フルーツチップなどの販売を行っている。一方の｢田園｣はブルーベリーの収穫体験を中心に季節限定営業を展開。敷地内のローズ＆ハーブのオープンガーデンは来園者の目を楽しませているが、収益にはつながっていなかった。
両農園のいいところを伸ばし、役割を分担してできたのが、収穫体験をした後、｢田園｣の色とりどりの花が咲くオープンガーデンで、収穫したての食材を使った手作りスナックやスイーツを食べながらティータイムを過ごす企画だ。このカフェでは｢こうろく｣の採れたて野菜も即売する。収穫体験で提供された玉ネギクッキーは、パリッとした食感とスパイシーな風味が魅力。規格外玉ネギや精米過程で出る小米を使用し、ＳＤＧｓ(持続可能な開発目標)を意識して｢田園｣が作ったものだ。
プレオープンに、瑛登君(６)、陽茉理ちゃん(４)、瑚乃葉ちゃん(０)と玉ネギ収穫体験に訪れた中野智菜美さん(32)は、｢４人でよく来る。子どもは生き物好きで、畑の虫やミミズと遊びながら、野菜の収穫体験を通じて食の大切さを学んでほしい｣と話す。走り回る子どもに目をやりながら、お茶でホッと一息つき、｢玉ネギクッキーがおいしいよ｣と子どもたちにも薦めていた。
田園カフェは７月12日のグランドオープンに向けて、ブルーベリーや両ファームの農産品を使った新メニューを開発中だ。秋には、サツマイモ掘りとブルーベリーの紅葉を見ながらサツマイモスイーツを提供する予定だ。第２弾のテーマは｢ジャガイモ｣で６月28日、７月５日、６日、第３弾は｢ブルーベリー｣で７月12日から８月３日まで毎日収穫体験を予定している(要予約)。
＜問い合わせ･予約＞
こうろくファーム(吉川市富新田38)☎９８２･６６１８／田園ファーム(吉川市高富１０３３の１)☎９８２･８８０８