予選2位 逆転の快挙 吉川の中学生所属チーム

吉川市在住の選手2人が所属するチア&ダンスチーム「Crystal Sparks LUCIDA(クリスタル・スパークス・ルシーダ)」が5月2、3の両日、米フロリダ州で開催された「2025ダンス・サミット・チャンピオンシップ」のジュニア・ポン・スモール部門に出場し、見事、優勝を飾った。
いずれも中学3年生の細井莉里花さん(14)と吉岡咲奈さん(14)。2人は中原恵人市長を表敬訪問し、世界の頂点に立った喜びを報告した。
演技が終わり、舞台で発表を待つ間、仲間と手をつなぎ、じっと下を向いた。涙が頬を伝い落ち、体が震える。下の方から順位が発表され、残すは1位と2位のみ。2位に呼ばれたのは自分たちではなかった。この瞬間、優勝が決まった。みんな号泣し、実際に名を呼ばれた瞬間は涙でくしゃくしゃになった顔でガッツポーズを決めた。
ここまで必ずしも順風満帆ではなかった。準決勝にはアメリカ、オーストラリア、イギリスなどの代表24チームが進出し、12チームが決勝に残る。日本と違い、観客との距離が近い舞台に気分は乗っていた。
だが、思わぬミスが出た。最後のターンで細井さんがよろけて体勢を崩し、人と人の間をすり抜ける箇所で違うところに入り、隣の子がジャンプを跳べない状態に。「まずい、もしかしたら決勝に行けないかも……」と号泣した。しかし、ここで終われない。気を取り直して決勝に行けると信じ、すぐに練習を始め、再び心を一つにした。結果は、全体の流れ、技の難度などを総合的に審査され、2位で決勝に進出した。
翌日の決勝では、準決勝での悔しい思いを晴らすように舞台で弾けた。終了後にはスタンディングオベーションが起きた。練習でコーチから絶賛されるほど体の動きが良かった。
日本でのチアの主な全国大会は、JCDAのオールジャパン・チアダンス選手権とUSAオールスターナショナルズの二つだ。細井さんたちのチームは予選で1位通過しながら何度も優勝を逃してきた。そのため、今回の世界1位に「これまでで一番うれしい」と細井さんはにっこり。優勝後はピザパーティーを開き、体を絞るため禁止してきたジャンクフードをみんなで思い切り食べた。
同クラブは昨年3月、USAジャパンで2位となり、今大会の出場切符を得た。細井さんは「出場権を得た時からアメリカでの演技を見据えて、表現やジャンプ、ターンなどを練習してきた。良い演技ができてうれしい」。吉岡さんは「初めての海外でとても緊張した。練習ではなかなか動きを合わせられないこともあったが、話し合いながら練習して、最高の結果を残せた」と話した。
今後については2人とも、「10月にJCDA、12月にUSAの予選があるので、新たに加わるメンバーと練習して、良い結果を残せるように頑張る」と話した。中原市長は「素晴らしい活躍。また優勝報告に訪ねてくれるのを楽しみにしている」と話した。

ダンス・サミット・チャンピオンシップ チアリーディングとダンスの競技ブランド「Varsity」が主催し、全米や世界の大会で優秀な成績を収めたクラブチームが集う。日本では、毎年3月のUSAジャパンなどの大会で優秀な成績を収めたチームに出場権が与えられる。