目標はコンテスト優勝

「水辺の宝石」と言われるカワセミを中心に野鳥を撮り続けている写真同好会「迷彩倶楽部(クラブ)」が11日から4日間、草加市のアコスギャラリーで写真展を開き、大勢の来場者でにぎわった。同倶楽部を率いる櫻井文夫さん(66)は「写真を買ってくれる人も多く手応えがあった」と話し、「さらにいい写真を撮ってコンテストで優勝するのが目標」と意欲を燃やしている。
写真展は4回目。メンバー5人が撮った約50点を展示した。エサをくわえたカワセミが川面を飛ぶ様子や、水面に飛び込む勢いをつけるため空中で羽を大きく広げたところなど、躍動感あふれる力作ばかりだ。
「困っている人を助けよう」と、第1回以来、写真やポストカードなどを制作、代金を募金箱に入れるよう呼びかけている。実費を除いた収益は能登半島の被災地や北海道盲導犬協会に寄付する予定だ。
櫻井さんがカワセミと出会ったのは9年前。犬の散歩中、伝右川でカワセミを見つけ、コンパクトカメラで撮影した。ところが、近くにいたカメラマンが高速連写しているのを見て「そんな風に撮るのか」と驚いた。6年前から本格的にカワセミを撮影し始めた。
レース鳩(ばと)、バイクなど多趣味だったが、「死ぬまでに何かで一番になりたい」と写真一本に絞った。毎朝4時起きして水辺に出かけ、日の出とともにエサ捕りに動き出すのを狙う。カワセミが現れるまで数時間待つこともざらだ。それでも「思ったポーズを取ってくれる時はうれしい」。
気になるのは、狙った場所で確実に撮れるよう餌付けなど作為を施す人をよく見かけることだ。「自然のままでなくて何が楽しいのだろう」と疑問を感じる。
一方で、自信作と思っても「君のはまだ作品になっていない」と酷評されたことも。それでも昨年は二つのコンテストで見事、入賞した。「少し認められ、勉強が実ってきたのかな」と相好を崩した。