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越谷/保護猫カフェで里親探し

「来店だけでも支援に」

保護猫カフェさくらで猫たちの世話をする星野さん
保護猫カフェさくらで猫たちの世話をする星野さん

 東武スカイツリーライン越谷駅徒歩2分にある「保護猫カフェさくら」は、保護猫の里親を探す手伝いをする専門店だ。越谷市東越谷の「いながき動物病院」が成猫の譲渡促進のため、2019年に1号店、21年に2号店をオープンさせた。これまで1号店では320頭、2号店では41頭の譲渡が成立している。
 1号店では生後9か月~10歳の猫約25匹、2号店では猫免疫性不全症ウイルス(FIV)に感染した猫(FIVキャリア猫)のみ14匹ほどが暮らしている。FIVキャリア猫は、「発症しないと普通の猫と変わらない」と同店の星野美穂さんは話すが、譲渡先が見つかりにくいのが現状。2号店はノンキャリア猫と変わりなくかわいいことを知ってもらうための施設でもある。
 店は個人または保護団体から保護猫を預かる形で運営され、ボランティアが中心で切り盛りしている。
 猫は繁殖力が強く、生まれて1年以内に子猫を産む。栄養状態が良ければ、1匹の雌猫から3年で50匹が産まれる。これ以上増やさないためには、保護―不妊手術―譲渡の「TNR活動」が重要だ。同病院では保護猫に不妊手術を施しているが、1日に多い時で50~80件ある。獣医師が手術や処置に集中するため、ボランティアが手伝いをする。この他、野良猫の捕獲、カフェの手伝い、譲渡会活動などの仕事があり、ボランティアは現在約160人いるが、慢性的に人手不足だ。
 譲渡先が見つからない場合、1号店の保護猫は1年半、2号店は2年半で、飼い主の元に戻す。もともと引き取り手の少ない猫たちだけに、飼い主の多くはボランティアだ。少しでもたくさん保護しようとする余り、「多頭飼育崩壊」に至るケースもある。こうした前歴のある飼い主に戻らないよう、同店は譲渡先探しに必死だ。
 カフェは里親にならなくても利用できる。料金は60分で一般1100円、中学生以下、65歳以上、障害者手帳を持つ人550円、2歳以下は無料。0歳児から入店が可能だ。福岡県、茨城県、横浜など遠方からの来店者もいて、寄付やエサの寄贈も支えとなっている。「たとえ飼うことができなくても、来て遊ぶだけで支援になる」。星野さんは増える保護猫と格闘しながら、愛猫家の来店を待っている。ボランティアも募集中だ。
<問い合わせ>
保護猫カフェさくら
☎080・7715・7321