吉川・栄町二区自治会 30人が「終活」学ぶ

「あなたと、家族のこれからを考えてみませんか?」をテーマに、吉川市の栄町二区自治会が4月19日、同自治会館で「相続・終活セミナー」を行った。相続、遺言などに関する専門家集団、NCP(ニュー・コンサルティング・パートナー)グループの営業企画部、井上さおりさんを講師に招き、約30人が参加した。
同自治会は、コロナ禍でイベントが中止になり、高齢者が自治会を退会、外出しなくなったことを懸念して、高齢者に興味のある話題を提供した。自治会役員に吉川平沼郵便局の諸橋成輝局長がいたため、日本郵便が提携している同グループに声をかけた。
井上さんは「終活の心得」から話し始めた。一つ目は「棚卸し」すること。中途半端になっている手続きや放置している契約、自分が何を持っているかを整理すること。二つ目は自分で処分するもの、後の世代に引き継いでほしいもの、まだ決められないものに分けること。三つ目は、スムーズに後の世代に引き継いでもらえるよう、受け取る側が困らない準備をすることだ。
そのためにそのために必要なのは「エンディングノート」だ。権利書や証書などをリストアップし、紛失したものは元気なうちに再発行してもらう。仕分けして渡したい人を書き出すことで、受け取る側の負担が減るという。ただ、同ノートは法的には効果がないので、それを基に遺言書を書くのがいいと話した。
参加者から「死んだ後、息子にマンションをあげたい。生前がいいか死んでからがいいか」の質問には、「元気なうちにあげると贈与になり税率が高くなる」と回答。相続税に関する質問には「基礎控除額は3000万円+(600万円×相続人の数)なので、それを超えそうな家はプロを入れて遺言書を作った方が無駄な税金がかからない」とアドバイスした。
その他にも多数の質問があり、興味の高さをうかがわせた。同自治会は会員約400人で、その3分の1が75歳以上だ。坂田昇二会長は「予想以上に参加者が集まった。今後も高齢者を対象に年に2、3回イベントをやって、外に出るチャンスを作りたい」と話していた。
また、郵便局では「相続・遺言の相談」を無料で受け付けている。
<問い合わせ>
日本郵便「生活相談ダイヤル」
☎0120・65・3741