最新のニュース 松伏町

松伏/町長選 現職と新人3氏激突か

13日告示、18日投開票


 任期満了に伴う松伏町長選挙が13日告示、18日投開票される。今回の選挙には、3選を目指す現職の鈴木勝氏(70)、いずれも同町議会議員で新人の増田等氏(70)、鈴木勉氏(69)、高野祐大氏(32)の計4人(いずれも無所属)が立候補する見込み。4人の戦いとなるのは1969年の町制施行後初めてで、近年にない激戦が予想される。
 選挙戦では、人口減少や少子高齢化への対策、子育て支援、働き口の確保、交通の利便性改善など町の魅力度向上、防災対策をはじめとする安心安全なまちづくりなどが主な争点となりそうだ。「道の駅」建設計画の是非も争点の一つとなっている。
 同町選挙管理委員会によると、69年の町制施行後初の町長選は三つどもえの戦いとなったが、その後は3人以上が立候補したことはない。2000年代に入ってからは、01、05年と現職と新人の一騎打ちが続き、その後は2回連続で現職が無投票当選。前々回の17年、前回の21年は再び現職と新人の一騎打ちだった。
 投票は18日午前7時から午後8時まで町内9か所の投票所で実施される(期日前投票は14~17日午前8時30分~午後8時、同町役場第二庁舎3階301会議室)。開票は18日午後8時50分から町立松伏第二小学校体育館で行われる。同日遅くには大勢が判明する見込み。
 3月1日現在の選挙人名簿登録者数は、男1万1955人、女1万1879人の計2万3834人。
 立候補者の顔ぶれを紹介する。(事前審査受け付け順。年齢は投票日現在。丸数字は当選回数)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

新保健センターは必要 鈴木 勝(すずき・まさる)さん 70 無所属 現②

鈴木勝氏

 「1期目から各世代が笑顔あふれるまちづくりに力を入れてきた。そのためには、妊婦から高齢者まで利用する、時代に合った保健センターに建て替えなければいけない。それが残された仕事でもある」と話す。
 今期の実績として、震災対策の防災倉庫建設を挙げた。水害に遭っても電気供給が止まらず平常に業務が遂行できるよう、電源を高い位置に設置した。医療では、高校生までの子ども医療費の無償化を継続中だ。
 消滅可能性自治体からの脱却を進めるため子育て支援が不可欠と言う。「生後1か月検診への補助」、「第3子以降の学校給食無償化」、「土曜午前7時から午後7時まで子どもを預かれる保育体制」を挙げ、子育てしやすいまちづくりを目指す。
 町の整備では、「東埼玉道路と都市計画道路浦和野田線の結節を最大限に活用してバス路線を充実させる。越谷レイクタウン駅までのバス路線を開通させ、同道路近辺の開発を推進、バスによる新交通システム(BRT)を周辺の市と協力して整備したい」と強調した。また、家庭用防犯カメラ設置に伴う経費補助、農業者支援のための経費補助などを挙げ、みんなが笑顔になる町づくりをさらに進めると意欲を示した。
  *   *   *
 町長。2期目。1996 年、町議初当選。2017 年、町長初当選。東京農業大学農業経済学科卒。趣味は釣り、ゴルフ。座右の銘は「人間万事塞翁(さいおう)が馬」。松伏町出身。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

人、企業に選ばれる町に 増田 等(ますだ・ひとし)さん 70 無所属 新

増田等氏

 「消滅可能性自治体と言われ、町民の危機感が強まっている。子育て支援、交通機関の整備、若い人の働ける場所確保のためには、今の行政では進みが遅い」と出馬を表明した。
 課題は「人口の減少」、「鉄道駅がない」、「働く場が少ない」ことだと語気を強める。若い人の転出が転入を上回り、生まれる子どもを高齢者の死亡が上回る現状は「緊急度の高い問題」だと強調。「人と事業者に選ばれるまちづくり、魅力ある松伏町を作りたい」と話す。
 「住んでよし」、「暮らしてよし」、「働いてよし」の三つの公約を掲げる。
 「住んでよし」は、町を挙げての子育てしやすい環境づくり。若者から高齢者まで文化や音楽やスポーツを楽しめ、幸せな生活を送ることだ。
 「暮らしてよし」は、地域防災力を高め、安心安全なまちづくり。人口減に歯止めをかける施策と住民サービスの維持向上だ。
 「働いてよし」は、都心から30キロ圏内の立地を生かした働く場の確保と拡充。商業、工業、農業の振興で歳入を確保。道路設備と地下鉄8号線誘致推進だ。
 町議3期で「人脈が広がった。総力を結集して将来の松伏のために仕事をさせていただきたい」と話す。
  *   *   *
 町議会議員。3 期目。2016年初当選。1期目で議長就任。埼玉大学理工学部卒。自動車会社に36 年勤務。趣味は書道、ウクレレ、太極拳。座右の銘は「敬天愛人」。松伏町出身。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

道の駅計画は即時中止 鈴木 勉(すずき・つとむ)さん 69 無所属 新

鈴木勉氏

 「無策の町政が続いている」と強く批判し、「町が計画している『道の駅』の即時中止、学校給食や保育料の無償化などを主な政策として、土地区画整理事業、人口増や利便性の向上につなげる」と強調する。
 まずは建設費が約30~40億円かかる道の駅計画の即時中止だ。保健センター移転事業もいったん白紙に戻し、中央公民館北側公園敷地を宅地にして1階図書館、2階保健センターにするか、施設の改修・補強・増築に改めるべきだと主張する。
 最優先するのは、学校給食費や保育料の無償化などの子育て支援だ。学校体育館のエアコン設置も近隣他市より遅れ、屋根付き遊び場や町立図書館の早期新設など課題は山積みなのに、道の駅建設は「町財政を圧迫させる」と話す。
 人口増を目指し利便性を向上させるために土地区画整理事業を実施し、特色あるまちづくりを目指す。都心から30キロ、駅から5キロ圏内で立地的に恵まれ、他市より土地価格が安い点を挙げ、人口増や利便性向上につなげる方針だ。
 町役場では18年間、福祉分野で働いた。生活環境課にも在籍し、「そこで培ったものを糧に松伏に住みたいというまちづくりを目指す」と話した。
  *   *   *
 町議会議員。4期目。県立越ヶ谷高校卒。2012 年、町役場退職直後の町議選で初当選。21年町長選に立候補した。趣味は乗り鉄、地図。経済の仕組み本が好き。松伏町出身。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

町の魅力をもっと発信 高野 祐大(たかの・まさひろ)さん 32 無所属 新

高野祐大氏

 「議員2期目でやらせていただけることは限界に達した。アドバイスや監視はできても執行ができない。町をよりよくするために町長を目指す」と話す。
 打ち出した松伏大改革プロジェクトは四つ。「第1子からの給食費完全無償化」、「東京直結鉄道(地下鉄8号線)」、「人口減少を止める」、「道の駅建設ノー」だ。
 そのために力を入れたいのはシティープロモーション。「いいポテンシャルを持っているのに発揮できていないのは発信不足でもある」と話す。いいところを発見して発信する、ふるさと納税のラインアップ増加など松伏のチャンネルを増やしていくことで魅力をアピールしていきたいと言う。
 地下鉄については「ゆめみ野地区で地下鉄が将来できると言われて引っ越してきた人がいる。その夢を実現したい」と話す。実現すれば、「人口減少に歯止めがかかるのはもちろん、若者の働きやすさ、町民の住みやすさも生まれる」と話す。
 道の駅に関しては、「今、計画は立ち止まっている。もっと住民と話し合うことが必要だ」と言う。
 「議会で先輩方に教わったことを生かしていきたい。そして若手の持ち味を町民の皆さんとコラボできたらと思う」と話した。
  *   *   *
 町議会議員。2 期目。2020年初当選。慶應義塾大学環境情報学部卒。家庭教師センター代表。趣味は温泉、旅行。好きな言葉は「悩んだら困難な道を選べ」。東京都世田谷区出身。