三郷市

三郷/実践でネイリスト育成

ネイルサロン内に後輩を育てる店をオープンした 荻島沙弓さん

 「お客さまに安心して任せられると思ってもらえる人を育てたい」と、2人の教え子を細かく指導する。

 昨年11月、自身が運営する三郷市中央のネイルサロン「ネイル スリー プラス」内にもう一つの店舗「ピンナ バイ ネイル スリー プラス」をオープンした。経験の浅いスタッフにも技術を伝え、実践を通して育てていく場。技術力はもちろん、お客さまへの接し方などを学ばせ、プロのネイリストを育てるためだ。

「実践を通して教えるのが一番」と話す荻島さん


 マンション内の店を仕切り、ターゲット層が少し高めだがラグジュアリー感のある店舗と、若干ターゲット層を低くし、キラキラした雰囲気を押し出した店舗とに住み分けている。「何かあっても私が隣にいるので、スタッフも安心して施術が行える」と話す。

 横浜市出身。中学生の頃はアクリル絵の具でネイルチップに描いていた。90年代後半、女子高生中心にネイルブームが起き、ロングネイルやビジュー、ストーンを使ったデコ盛りが見られるようになった。
 だが、ネイリストになる方法がわからず、18歳で介護の専門学校へ。卒業後、介護士としての道を歩み出した。「ネイルと同じくらい介護が好きだった」。

 2000年代にジェルネイルが登場。デザインの幅が広がり、個性に合わせてネイルを楽しむ時代に。ネイルが好きという気持ちを抑えられず、退職してスクールへ。経験を積み独立後、新宿でネイルサロンを8年営み、3年前にこの店をオープンした。

 さらに自分の技術を後輩に継承したいと考えるようになり、昨年、今の場所に移転してスタッフ指導に当たっている。「ネイリストには国家資格がない。民間資格を取得する方法もあるが、プロを目指すには実践が一番」と信じている。「100人いれば100通りの爪状態がある。細かく丁寧に教えることが顧客満足度にもつながる」とも。

 「飽きっぽい性格だが、新しい技術や素材が次々出てくるので、楽しく続けられている」という。ゆくゆくは「サロンワーク特化型の即戦力になるネイリストのスクール」を開くのが夢だ。 (佐藤 龍一)