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松伏/松伏町長に32歳高野氏 僅差で現職破る

「町民が主役の政治作る」 〝若さと行動力〟に支持

当選を決め万歳する高野氏(中央)と支援者たち
当選を決め万歳する高野氏(中央)と支援者たち

 任期満了に伴う松伏町長選挙は18日、町内9か所で投票が行われ、午後8時50分から町立松伏第二小学校体育館で開票作業が行われた。その結果、同町議会議員で新人の高野祐まさ大ひろ氏(32)(無所属)が、3選を目指した現職の鈴木勝氏(70)(同)、同町議会議員で新人の増田等(70)(同)を破って初当選を果たした。
 1969年の町制施行後初の町長選以来の三つどもえ戦となった今回の選挙で、高野氏は「チェンジ松伏」を掲げ、若さと行動力をアピール。実績と安定感を訴える鈴木氏をわずか175票差で振り切った。
 まれに見る激戦で、決着は午後11時までもつれ込んだ。「当確」が伝えられると、高野氏は満面の笑顔で待ち構えた支持者の前に現れ、万歳を行った。さらに表情を引き締め、「町民が主役の政治をしっかりと作り、前に進めていく。かじ取りを担う決意で頑張る」と述べた。選挙戦では、2期8年に及ぶ鈴木町政に対する評価や、人口減少・少子高齢化への対策、子育て支援、若い人口定着のための働き口の確保、交通の利便性改善など町の魅力向上、防災対策など安心安全なまち造りなどが主な争点となった。「道の駅」建設計画の是非も争点の一つとなった。
 高野氏は、人口減少ストップ、道の駅建設ノー、給食費の完全無償化、東京直結の地下鉄8号線実現を強く訴えた。勝因の一つとして高野氏は、「人口減少が2010年から続き、『消滅可能性自治体』に指定されたことを町民が危惧し、変わらなきゃいけないという気持ちが投票行動に表れた」と指摘した。道の駅については「箱モノを見直して、生活に密着するところに回していくことが必要。町民が主役の政治をする」と反対の理由を明確にした。高野氏はまた、同町議の中で最も若い力を発揮していく決意を強調。町民が通勤で使う東武スカイツリーラインの北越谷駅やせんげん台駅に毎日のように立ち、「町民に情報を出して、活動内容を示していく」と訴えた。見える形での選挙運動は「70代の候補者にはなかった」とし、「自分の政策が届いたことが勝利につながった」と分析した。
 道の駅ノー、給食費無償化、地下鉄8号線誘致などの公約は「生活に直結することだから急には変えられない。まずネックになっている部分を見直すなどして状況を見極めながら、スピード感をもって進めていきたい」と述べた。松伏ブランドに関しては、「ふるさと納税の返礼品拡充を進めながら、チャンネルを増やすなど改善していく」と松伏の魅力を広く発信していく方針を強調した。
 高野氏は任期の始まる6月2日に初登庁する。
 町長選には当初、町議会議員で新人の鈴木勉氏(69)も名乗りを上げていたが、出馬を見送った。
 投票日当日の有権者数は2万3498人(男1万1768人、女1万1730人)、投票者数は9536人(男4615人、女4921人)だった。接戦を反映して投票率は40・58%(男39・22%、女41・95%)と、過去最低だった前回の30・97%を9・61㌽も上回った。

松伏町長選開票結果
当 3,496 高野 祐大 32 無新
3,321 鈴木  勝 70 無現
2,632 増田  等 70 無新
(選管確定)

笑顔で支援者と握
手する高野氏(右)
笑顔で支援者と握手する高野氏(右)

プロフィル

高野 祐大氏(たかの・まさひろ) 
東京都世田谷区出身。慶應義塾大学環境情報学部卒。家庭教師センター代表。2020 年、松伏町議初当選。24 年再選。趣味は温泉、旅行。好きな言葉は「悩んだら困難な道を選べ」。松伏町在住。