さすまた使い講習
三郷市は5月22日、市役所7階の大会議室で希望する職員らを対象に「窓口業務における安全対策講習 ―ターゲットとされる市役所―」を実施し、市役所が襲われた場合の対処方法などを学んでもらった。

講師を務めたのは、警察OBで危機管理防災課職員の齊藤寛之さんで、2023年に発生した「茨城県日立市役所殺人未遂事件」や「茨城県東海村役場建造物損壊事件」、昨年の「愛知県高浜市役所建造物侵入事件」などを例に、大勢の人が集まる市役所1階が主に被害現場になっていること、灯油などの液体を散布する手口が主流なこと、被疑者は事件を起こすまでに数回相談などで来庁している場合が多いことなどを説明した。
実技では、「警察が現場に到着するまでの時間、犯人を制圧しておく必要がある」と強調。さすまたを使用した対処法などを実践しながら、「油断せず、むやみに近づかず、距離を保つことが重要」とアドバイスした。



職員からは、「対処法を細かく教えてもらえてよかった」、「知識はあっても実践とは訳が違った。課に持ち帰って共有したい」、「流れを把握するだけでいざという時に動くことができる」などの声が上がっていた。
齊藤さんは「自分の身は自分で守ること、そして組織的に対応することが市民の安全を守ることにつながる。講習を通じて危機意識を高めてもらいたい」と述べた。
講習会を企画した危機管理課では「全国的にも役所を狙った犯行が増えている。事件はいつ発生するかわからない。常に危機意識を持ちながら、日常業務に当たってもらいたい」と話していた。