中学生プロピアニスト、吉田蒼空馬君

草加市出身の中学生プロピアニスト、吉田蒼空馬(そうま)君(14)(同市立瀬崎中学校3年)がこのほど、東京・千代田区のベヒシュタイン・セントラム東京ザールで行われた「第5回ノアン フェスティバル ショパン イン ジャパン ピアノ コンクール」のB2部門(13歳以上~15歳以下)で1位を獲得した。同コンクールは課題曲全てがショパンの曲であることが特徴で、若手音楽家の登竜門の一つとしても知られている。
昨秋にビデオ審査で行われた予選で、吉田君は10分以内という制約の中、課題曲から「ワルツ第14番遺作」と「ノクターン第7番」を演奏。今年1月に予選通過の知らせが届き、本選出場権を得た。
本選には吉田君を含め数多くの大会で受賞を重ねている4人が出場。課題曲のどれを選ぶかは自由だが、吉田君を含む3人が「プレリュード第3番」と「ノクターン第13番」を選曲するという異例の展開となった。最後に演奏した吉田君は重圧を感じながらも、「自分なりの音の世界を作り上げることができた。練習より本番の方がうまく弾けた」との言葉通り、最高の結果をつかみ取った。
1位になったことで「ベヒシュタイン・サロン賞」を同時に獲得。ピアニスト兼作曲家で、パリ国立高等音楽院などで教えているイブ・アンリ教授のレッスン受講の権利を得た。
吉田君は当面の目標として、5年に1度、ポーランドのワルシャワで開催される「ショパン国際ピアノコンクール」への出場を挙げ、「今年は年齢の制限で出場できなかったが、練習のステップアップを重ね、大会で最高の演奏ができるようにしたい」と話していた。