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草加市/フィンスイミングで世界に挑戦

 草加市稲荷町の私立武南高校2年生、赤荻隆之介さん(16)が19日から25日までエジプト・カイロで開催される「第18回フィンスイミングジュニア世界選手権」に出場する。4歳から水泳を続けてきた赤荻さんは、父親の影響で昨年8月にフィンスイミングに転向。あっという間に才能を開花させ、わずか1年足らずで世界への道を切り開いた。関係者らは、「草加の名を世界に広めるチャンス」と期待を寄せている。

父親の藤田さん、ビーフィンを持つ赤荻さん、ゴーグルとシュノーケルを持つ堀本さん(左)

フィンスイミングは、足ヒレを使用して泳ぐ競技。クロールや背泳ぎなどと組み合わせると30%ほど推進力が増し、そのスピードのとりこになる人も多い。「第2のオリンピック」と呼ばれるワールドゲームズの正式種目で、世界中で高い人気を誇る。
 赤荻さんは、シュノーケルと両足にビーフィンと呼ばれる足ヒレをつけて泳ぐ種目を得意としている。今年3月、千葉県習志野市で行われた「第12回ジャパンオープンマスターズ大会」の男子50㍍CMASビーフィンユース(Y2)部門で22秒44で優勝。ジュニア世界選手権の派遣標準記録(22秒55)を上回り、出場権を手に入れた。

 赤荻さんは小2の時、八潮市内のスイミングスクールに通い始め、6年生で「選手コース」に合格。「友だちにも誰にも負けたくない」と、週6日間、練習に明け暮れた。「タイムがコンマ1秒でも縮まるとうれしくなった。練習を重ねるにつれスピード感が増し、上達していると実感した」という。
 しかし、タイムが伸び悩み始めた昨夏、気分転換を兼ねて、父親、藤田成秋さん(43)のビーフィンをつけて泳いでみたところ、50㍍で23秒台のタイムが出た。

 父親の知人で、フィンスイミング製品を扱う草加市旭町の「HORi-Lab(ホリ・ラボ)」の堀本晋哉代表(40)がそれを聞いて、大会への出場を勧め、赤荻さんは昨年9月の「東京辰巳国際水泳場杯水泳大会2022競泳競技」に出場。男子50㍍自由形・高校生の部で、22秒64のタイムで優勝を飾った。「初出場で初優勝できた喜びは大きかった」と赤荻さん。一般の部も含めた同部門でも、全出場数74人中17位だった。この受け、「フィンスイミングを本格的に続けていこう」と決意を固めた。
 自らもフィンスイミングの競技者である藤田さんは「伸びしろは十分ある。大きな舞台で自己ベストを目指してほしい」と激励。赤荻さんは「世界大会では日本のユース記録21秒57を更新したい」と意気込んでいる。あ

地元企業が全面協力

 赤荻さんが競技で使用する道具は、「HORi-Lab」の堀本代表がスポンサーとして全面的にバックアップしている。堀本代表もフィンスイミングの競技者だ。

 堀本代表は8年前、日本には海外製のフィンスイミング用品しかなかったため、自社で開発、製品化した。中でもシュノーケルはオール樹脂製のため軽量で、接触時のけがも低減。パイプの回転を抑える滑り止めなど独自の技術を施した。
 こうした努力が実を結び、今年2月、優れた技術や製品を認定する「草加モノづくりブランド」の認定製品にも選ばれた。
 堀本代表は「うちの製品が世界に出るのはうれしい。全面的にバックアップしていく」と意欲的だ。