八潮市

八潮市・昼間さん「方言漢字」を語る

 方言漢字を研究している八潮市の獨協大学職員、昼間良次さん(48)が6月20日、八潮市商工会館で「『方言漢字』の聖地・八潮市-豊かな地域文化を発信しよう‼ー」と題して講演し、24人が参加した。講演は「同市倫理法人会」(深津孝会長)が経営者を対象に開いている「経営者モーニングセミナー」で行われた。
 昼間さんは、「八潮市は地域の名称に、『垳』という文字文化を生み出し、使用している方言漢字の〝聖地〟。住民が地域に根づく豊かな文化に気づいてもらいたい」と強調した。

「方言漢字」について話す昼間さん

 また、狭い分野で限定的に使われる文字も「方言漢字」に当たるとし、同市古新田にある製菓会社「上野凮月堂東京工場」の「凮」の字を例に挙げ、「〝風〟の字は中に『虫』が入っているが、食品業界では虫が入ることを嫌う。そのため、お客さまがたくさん来るようにと、虫の字に『百』の字をあてた」と解説した。
 参加者からは「方言漢字の聖地であることを知り、八潮市がもっと好きになった」「地域に根づく文字のことをこれまで考えたことがなかった」などといった感想が聞かれた。
 昼間さんは「各地の人々から自分自身がまだ知らない文字のことを教えてもらうのが夢」と話していた。