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県大がまちに出て講座 住民の知りたいに応える

越谷・千間台西地区で 医療など専門の強み生かす

膝の痛みの原因や対処法などについて話す小栢准教授
膝の痛みの原因や対処法などについて話す小栢准教授


 埼玉県立大学(星文彦学長、越谷市三野宮)が7月から月1回、越谷市、同市社会福祉協議会や地元・千間台西エリアの住民組織などと連携して、市民講座シリーズ「まちなかキャンパス」を開催している。「地域に根差した大学」を目指す県大の取り組みの一つで、公開講座のように住民に大学に来てもらうのでなく、大学が自ら地域に出て行って行うもの。内容も保健・医療・福祉の専門大学としての強みを生かしたもので、住民のニーズにぴったりと好評だ。
 会場は東武スカイツリーラインせんげん台駅から程近い千間台記念会館。7日には第4回講座「膝の痛み教室~膝が変われば人生が変わる~」が行われ、住民約30人が参加した。
 理学療法学科の小栢(おがや)進也准教授は高齢者の悩みの一つ、膝の痛みの原因について、関節包の炎症、半月板の損傷、骨や軟骨の形状変化など関節周囲のさまざまな組織の病気である「変形性膝関節症」が多いと指摘。70代女性の実に71%、男性の48%が該当すると述べた。
 ただし、痛みを感じる人は70代女性で40%、男性では20%にとどまるという。痛みには、一瞬、刺すように鋭い「急性痛」(鋭痛)と、重くだるく、しばらくく「慢性痛」(鈍痛)があり、鋭痛が3か月続くと鈍痛に移行するため、鋭痛の段階で医療機関を受診するよう勧めた。
 対処方法としては、運動や体重管理が大事と指摘。膝を伸ばす・曲げる、膝の後ろの筋肉やアキレス腱を伸ばすなどのストレッチをゆっくり30秒間ずつ行うようアドバイス。さらに、歩く、自転車、プールなどの有酸素運動を勧めた。特に歩くことは効果的で、1日30分以上、6000~7000歩を無理なく、できるだけ毎日行うとよいと指摘。膝が痛い時はやめるのでなく、休み休み行うことが大切と述べた。
 参加者からは「膝をぐるぐる回す体操はやらない方がよいか」「痛くても歩くべきか」などと質問が出され、小栢准教授は「膝に体重をかけない体操は大丈夫」「痛い時は歩く距離を小分けにして」などとアドバイスしていた。
 「まちなかキャンパス」は、地域住民の協議体「千間台西エリア地域支え合い会議」での話し合いを基に、県大に要望を出してテーマを決めている。7月は「睡眠」、8月は「スマホの使い方」、9月は「認知症の予防」と、住民が知りたいテーマが並んだ。
 同会議推進員の杉本昭彦・千間台西2丁目自治会長(71)は「県大は地域の財産。その力を借りて意義のある学びができている」。杉本高男・5丁目自治会長(70)は「大学が地域と連携してくれるので住民としてはありがたい」という。
 県大地域産学連携センターの田口孝行所長は、「大学では公開講座を開催しているが、住民の方に聞くと、敷居が高いという。それなら大学が出ていきましょうということになった」と話す。「地域に根差すとはどういうことか考えながら続けていきたい」と意欲的だ。

県大地域産学連携センタ
ーの田口孝行所長
県大地域産学連携センタ ーの田口孝行所長

埼玉県立大学
1999年創立の公立大。保健医療福祉学部に看護、理学療法、作業療法、社会福祉子ども、健康開発の各学科、さらに複数の専攻がある。看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、保育士などの資格を取ることができる。