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草加/カヌーの本格普及目指す

高校生が草加にクラブ 来月発足 選手育成にも力

 草加市出身の県立越谷東高校3年生、相原崚人さん(18)が水辺のレジャー普及や水難事故撲滅を目指し、4月1日に「草加カヌークラブ」を立ち上げる。カヌー競技の振興を目的とした国内競技連盟「日本カヌー連盟」(福田達夫会長、本部・東京都新宿区)にも加盟し、本格的なスポーツとして定着させたい考え。カヌー選手の育成と同時に、子どもたちに水の危険について知らせる安全教室の活動も行い、カヌー人口増加と水難事故防止の機運醸成を図りたいと、関係者らは意気込みを見せている。

「草加カヌークラブ」メンバー(相原さんは前列右から3人目) (草加カヌークラブ提供)

〝水辺の危険〟子どもに訴え

 同クラブの活動目的は大きく分けて三つ。
 一つ目は、松伏町B&G(ブルーシー・アンド・グリーンランド)海洋センターなどの協力を得て、小中学生を対象にライフジャケット浮遊体験や着衣泳など「自分の命は自分で守る(セルフレスキュー)」や危険意識向上など、水辺で活動する際の体験学習「水辺の安全教室」(年2回7、8月を予定)の実施。

 二つ目は安全管理などを徹底した上で、実際に川でカヌーを体験し、楽しさなどを学んでもらう「カヌー体験会」。こちらは幅広く、多くの人に体験してもらいたいと月1回、年12回の実施を予定している。

 三つ目は会員を対象とした練習会。近場や遠出し、さまざまな環境下で技術を磨くと同時に、「日本カヌー連盟」に加盟する他チームやクラブとの連携、交流を図る。

 立ち上げ時のメンバーは学生7人、一般5人、シニア3人の計15人。相原さんの出身地、草加市で、若い世代の行動力とシニア世代の知識などを融合させ、敷居が高いと感じられるカヌーの入り口を入りやすくして、競技やレジャーとしてのカヌー普及を目指す。

 代表に就任する相原さんは、小学6年生の時にカヌーで綾瀬川の清掃活動を行う「草加パドラーズ(草加市カヌー協会)」に参加。環境美化にも関心を示し、楽しみながら活動を続けてきた。

 環境美化活動に励む一方、スポーツとしてのカヌーにも興味を抱き始め、中学卒業後、高校には珍しいカヌー部のある越谷東高校に進学。部活動でルールや技術などを学んで研さんを積む一方、各地のカヌークラブや協会の人々とも交流を続けてきた。4月には国士舘大学に入学。体育学部スポーツ医科学科で救急救命士の資格を取り、「万が一、カヌーで事故に遭った場合にも救命処置が取れるよう備える」と話している。

 相原さんと同時にカヌーを始め、同クラブにも所属を決めている草加市立松江中3年生の田中志門君(15)は「4月からは越谷東高校に入学し、カヌー競技に専念する。クラブと部活で技術を高め、インターハイに出場したい」と夢を語った。

 幹事として若手の動きを見守る村田孝文さん(71)は「当面の間、春日部市カヌー協会(尾谷英一代表)の拠点を借りて活動する。草加市内に拠点が持てるよう、早急に法人化を目指し、財政的基盤も固めたい。課題は多いが、やりがいはある」と話している。

 相原さんは「不安なことは多いが、学業と並行して立ち上げ、運営に尽力する」と意気込みを見せた。
 <問い合わせ>草加カヌークラブの相原さん☎︎080・8437・3988。