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「沖縄組踊」越谷から発信・8/13公演、現代版子ども歌舞劇

 越谷市の「現代版組踊」のグループ「チーム息吹・越谷支部」(小学生~高校生12人)が8月13日、福島県南会津町の「チーム息吹」と共に、同市南越谷のサンシティ大ホールで、10年ぶりに公演する。現代版組踊は、琉球王国時代(15~19世紀)から沖縄県に伝わる、歌舞劇をアレンジしたもの。2000年に沖縄で誕生し全国に広まった。「チーム息吹・越谷支部」は福島県のグループの支部だが、関東初のグループとして独立を目指している。今回の公演を支援者らは、「現代版組踊を広く知ってもらう絶好の機会」と期待をかける。

 現代版組踊は「地域の子どもたちの居場所づくり」を目的に沖縄でスタート。演劇、ダンス、音楽を融合した新しい舞台様式。まちおこしの手法として注目を浴び、現在、全国で17団体が活動している。

 「チーム息吹」は福島県南会津町の子どもたち40人のグループで2010年に発足。東日本大震災で地元公演ができず、11年8月、越谷で公演した。これが縁で12年にも公演した。この公演などに感動した親子らや関係者らで「越谷支部」が発足した。市内のホームページ制作会社経営の田崎尚樹会長(42)らが、「越谷でも組踊をやってみたい」と、今年4月、支援組織「彩魂 喝采の会」をつくった。

 これまで南会津町の仲間と共に、年2回、福島県内などの公演に参加してきたが、越谷での公演は12年以来で、これを機に「現代版組踊」を盛り上げていく。

 8月13日の演目は、「息吹・南山義民喜四郎伝」。1720年に南会津で実際にあった「農民一揆」を物語にした作品で約2時間半の公演となる。

 現代版組踊の活動はユニーク。小学生から高校3年生まで参加できるが、稽古に大人は参加せず、子どもだけで取り組む。高校卒業と同時に卒業し、後輩に託す。パーカションやギターなども使う。

 越谷支部メンバーは毎週末、公共施設で3時間稽古し、8月には南会津町に全国から「現代版組踊」のメンバーが集まり、一緒に合宿練習を行う。

 越谷支部メンバーの田崎ほのかさん(13)(越谷北中2年)は「小学3年から始めた。お客さんに感動を与えられるよう本番に向けてチームを引っ張る」と意気込む。関根未愛さん(16)(春日部東高1年)は「舞台の途中に空手の演技がある。得意なので本番で決めたい」と張り切っている。

 「彩魂 喝采の会」は公演に向け、市内企業や団体に協賛を呼びかけたところ、150件約530万円が集まった。

 田崎さんは「関東初の現代版組踊チームを越谷に立ち上げ、多くの子どもたちに感動を体験してほしい。越谷の新たな文化として発展させたい」と話す。

 公演は正午、午後5時の2回公演。入場料は全席指定でS席3500円、A席3000円、B席2000円(高校生以下各1000円引き、当日券は各500円増し)。

 <問い合わせ>彩魂 喝采の会事務局TEL972・4901。