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高齢者にスマホ指南 叡明高生が地域交流

お年寄りにスマホの扱い方を教える叡明高生(右)


 高校生ボランティアによる「スマホ(スマートフォン)お悩み相談会」が越谷市で初めて開かれ、地域のお年寄りたちに好評だった。越谷市社会福祉協議会と、地域の高齢者を支えようと発足した住民組織「川柳地区地域支え合い会議」が主催。ボランティアは同市レイクタウンの私立叡明(えいめい)高校の2年生14人。会場となった同市川柳の同市立老人福祉センター「ひのき荘」には高齢者約30人が訪れた。

 同会議での集まり「サロン」で「スマホを使っているが通話しかできない」という声が多く、スマホで利用できる「地図の閲覧」やメッセージアプリ(ソフト)の「LINE」、写真撮影などを活用して、高齢者らの生活を支えるツールになるよう支援したいと企画を考えた。同時に世代間交流も図りたいと叡明高校に声をかけたところ、「地域の方との交流は生徒たちの勉強にもなる」と引き受けてくれた。

 相談会は生徒1人に高齢者1人のマンツーマンで行われた。「写真の送り方が分からない」や「LINEができない」、「QRコード(二次元コード)を使って買い物がしたい」、「写真をプリントしたい」、「地図を使いたい」など相談はさまざま。高齢者は自分のスマホを持ち込み、高校生から丁寧なアドバイスを受けた。ほとんどの人が複数の相談があり、1人当たり約1時間、じっくりとアドバイスを受けていた。
 同市東大沢の主婦、青鹿茂子さん(73)は「スマホを使って3年ぐらい。写真撮影と写真をメールで送る方法を教えてもらった。高校生は孫のようでかわいかった。丁寧に教えてもらって助かりました」と満足そうだった。

 ボランティアに参加した加藤璃恋(りこ)さん(17)は「スマホを教えるのは初めてなので、専門用語を使わず、ゆっくりと話すことを心がけた。おじいちゃんやおばあちゃんのような多くの方と交流できて、楽しかった」と笑顔。戸井田莉緒さん(17)は「LINEの仕方や文字の入力などのアドバイスをした。分かりやすく説明しようと心がけた。真剣な表情で聞いてくるのが印象的でした。話し方の勉強になった」と話していた。
 引率した同高の香川良太教諭(49)は「全校でボランティアを募ったところ、14人もの生徒が集まった。学校としても地域とのつながりを重視しており、生徒と地域の方との交流は貴重な体験。今後も機会があれば積極的に参加していく」と話していた。