三郷市

郵便局員3人に吉川署が感謝状 特殊詐欺防ぐ

 吉川警察署(江田浩之署長)は6日、特殊詐欺事件被害を未然に防いだとして、吉川駅前郵便局(吉川市高富1丁目)局長の蔦原正幸さん(48)、窓口職員の山田万貴さん(27)と寺門綾香さん(35)の計3人に感謝状を贈呈した。

左から江田署長、窓口職員の山田さん、寺門さん、局長の蔦原さん

 同署の発表によると、8月3日午後2時45分頃、市内在住の80歳代の男性が同郵便局を訪れ、100万円の現金振り込みを依頼した。応対に当たった山田さんが振り込み内容を尋ねたところ、「振り込み理由は言わないで欲しい」と答えたため不審に思い、寺門さんに相談。「100万円のATM振り込みはできない」と伝えると、「じゃあ50万円でいい」などと不審な説明をした。
 蔦原局長が男性に話を聞くと、県警の警察官を名乗る人物から電話があり、「県警で逮捕した暴力団員が取り調べで、あなた名義の金が32万円あると自供したので、金額は任せるから振り込んでほしい」と言われたという。局長は機転を利かせて「今、県警の人を呼びますので確認しましょう」と提案する一方、同署のホットラインに通報。特殊詐欺被害を未然に防止した。

 感謝状を受け取った蔦原局長は「地域のお客さまの財産を守るとりでという意識を持って、今後も取り組んでいきたい」と強調。山田さんは「詐欺を防ぎ、お客さまを守ることが出来てうれしい」、寺門さんは「12年間勤めてきて、詐欺被害が幸いにもなかった。今回身近に感じ、止められて、賞をいただき、うれしく思っている」と述べた。
 同署は特殊詐欺被害未然防止のため、管内の金融機関との間にホットラインを設けている。高野諭生活安全課長は「簡単ではないのに通報していただき、犯罪を未然に防ぐことができた。感謝しかない。今後ともご理解ご協力いただけたら」と感謝していた。