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〝越谷いちご〟で新商品開発 冷凍活用しスムージーに

公民館発で地産地消を

冷凍イチゴを使用した「ひんやりいちごスムージー」
冷凍イチゴを使用した「ひんやりいちごスムージー」


 越谷市の特産品「越谷いちご」を使った夏向きの飲み物「ひんやりいちごスムージー」を、同市南越谷地区センター・公民館の職員、大橋愛美(まなみ)さん(34)が考案した。イチゴの旬は冬から春。イチゴ農家ではイチゴがたくさん採れる時期に冷凍し、年間通じて販売している。そこで、「公民館発で地産地消促進を」と、冷凍イチゴを使って調理が簡単な新メニューの開発に取り組んだ。親子向け料理教室では大好評で、「冷凍イチゴの消費拡大につながれば」と大橋さんは期待している。

地元特産を気軽に


 スムージーは、冷凍イチゴをはちみつ、牛乳と一緒にミキサーにかけただけ。だが、ひんやり冷たく、ほんのりした甘みが利いて、暑い季節にぴったりだ。
 大橋さんが以前、市の広報に在籍していた際、広報紙で農産物の特集を組もうとして、越谷の農産物はイチゴを含め、冬が旬のものが多いことを知った。公民館に異動後、イチゴ観光農園「ストロベリーガーデンおぎしま」(同市小曽川)の荻島元治さん(58)に尋ねると、「夏に地場農産物を活用したいなら冷凍イチゴがある」と助言された。
 越谷市はイチゴの生産に力を入れており、「あまりん」など県のオリジナル品種もある。旬は12月頃から5月頃までで、冷凍イチゴとしても販売される。
 冷凍イチゴは鮮度を保つため、収穫してすぐにヘタを取って洗い、急速冷凍してあり、そのまま使える手軽さが特徴だ。問題はそれをどう活用するかだ。
 そんな時、大橋さんが自宅でよくおやつとして作って飲んでいるスムージーが、夏でも気軽に「越谷いちご」を楽しめる使い方としてぴったりだと気づいた。イチゴの果汁ごと凍っているので氷が不要で、味も薄まらない。火も使わない。レシピは超簡単だが、とにかくおいしく、生産者の応援もできる。

南越谷公民館で開かれた料理教室で、完成したスムージーで乾杯する参加者親子と大橋さん(左)
南越谷公民館で開かれた料理教室で、完成したスムージーで乾杯する参加者親子と大橋さん(左)


 このレシピを知ってもらおうと、8月9日、同公民館で料理教室を開催。冷凍イチゴは、荻島さんが会長を務めている同市農業団体連合会観光農園部会が1キロ・グラムを無償提供してくれた。参加した3組7人の親子は、「材料がこれだけなのに、まるでお店の味みたい」「酸っぱいかと思ったら、とてもまろやか」「暑い夏にぴったり」と大絶賛だった。
 トッピングに生クリーム、チョコレートソース、フリーズドライのイチゴ、銀色の粒状の糖衣菓子アラザンを乗せると、さらにおしゃれで高級感たっぷりに。「これぐらいの手間ならイベントなどで販売しても効率よく提供できる」と自信を得た。
 「今後、スムージーがさらに広がって、冷凍イチゴの消費拡大につながっていくとうれしい。越谷のイチゴを通年で楽しんでほしい」と大橋さんは期待する。
 荻島さんは、「冷凍イチゴの活用は食品ロスを減らす有意義な取り組みで、生産者としてありがたい。地場農産物のおいしさを感じていただけたら」と話している。

スムージーレシピ

 【材料】冷凍イチゴ1カップ、はちみつシロップ大さじ3(適量)、牛乳1カップ。
 【作り方】材料をミキサーにかけて、グラスに注いだら、好きなトッピングで。
 牛乳アレルギーがある場合は、牛乳の代わりにレモン汁小さじ1と水1カップで作ったレモン水を入れるとさっぱり味のスムージーに。
 【ポイント】はちみつは同量の水かお湯で溶かしてシロップにすると溶けやすい。
 冷凍イチゴは使う少し前に冷蔵庫に入れておくとミキサーにかけやすい。