吉川市

吉川/藤から桐の花へ 季節の歩み体感

薄紫の花をつける桐の木
薄紫の花をつける桐の木


 毎年、吉川市の中川河川敷で観察できるシラサギの巣作りが、今年は例年になく遅れ、4月中旬にやっと集団での本格的な子育てが始まりました。5月になってから天候も安定し、アマサギも集団で渡ってきて、ゴイサギやダイサギなど多くのサギ類が忙しく巣作りしている様子を楽しく観察していました。
 観察を続けるうち、コロニーから少し西側に薄紫の花が目立つようになり、何の花かと近くに行くと、大きな桐(きり)の木が5本ほど元気よく若芽を伸ばし、その先についた薄紫の花の房が空に向かって咲き誇っていたのです。
 昔、農家では、女の子が生まれると屋敷林や畑に桐の苗を植え、お嫁に行く時には桐たんすを持たせたと言われていました。その桐の木を利用して、春日部地域では桐箱の産業が発達したと言われていますが、今では農家の屋敷林もなくなり、このようにたくさんの桐の花を目にすることは少なくなってしまいました。
 藤の花が終わった頃に引き継いで、同じような色合いの桐の花。このような季節の移り変わりを大事にしたいですね。 (戸)