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越谷/多文化共生へ無料学習指導

言葉の壁深刻 外国人の子 発信力強化し来場促す

学習支援教室に通い勉強を教わる子どもたち
学習支援教室に通い勉強を教わる子どもたち


 地元で暮らす外国人の支援活動を展開している越谷市の一般社団法人「多文化共生コスモ越谷」(奥村裕子代表理事)が7月から、外国人の子どもたちのための無料の学習支援教室をスタートさせた。言葉の壁や学習面でつまずく子どもたちをサポートするのが目的。22日にはパキスタン人の子ども4人が訪れ、早速、夏休みの宿題などを見てもらった。同団体では外国人への発信力を強化し、さらに多くの子どもの参加を促したいとしている。
 「コスモこども教室」は月2回、第2、4土曜午後1時30分から4時30分まで、同市千間台西1丁目の埼玉りそな銀行せんげん台支店3階にある子ども支援拠点「りそなYOUTH BASE(ユース・ベース)」で開催。対象は外国にルーツを持つ人や日本人の小学生から高校生まで。教科書が読めない、計算ができるようになりたいなどの悩みを抱える子どもたちに学習指導する。
 この日訪れたのは、越谷市内の小学校に通う3年生(9)と妹、2年生(8)と妹の2組。姉たちは日本語がペラペラだが、妹たちは母国語で会話し、学校にも通っていない。姉たちはボランティアの「学習サポーター」の指導で国語ドリルなどをこなし、一方、妹たちはひらがなや時計の読み方を習った。
 外国人の子どもは小さいうちに来日すると、友だちとの遊びやテレビなどを通じて日本語の会話は比較的早くできるようになる。だが、漢字の多い書き言葉は難しく、「教科書やテストの問題が読めず学習から脱落しやすい。まして受験は難しい」と奥村さんは指摘する。日本人の子どもを対象に含めたのも、外国にルーツを持つ子どもが日本人の友だちと一緒に気軽に来られるようにとの配慮からだ。
 同団体顧問を務める行政書士のオリ香さんによれば、外国人の子どもは扶養者(多くは父親)の家族滞在ビザで在留している場合がほとんどで、扶養者が帰国すれば、子どもも在留資格を失う。ただし、日本の高校卒業証書があり就職先の内定をもらえば、在留資格を認められる可能性が出てくる。「日本に在留し続けるためには高校卒業が極めて大事な条件」と、オリさんは学習支援の重要性を強調する。
 奥村さんは「さらに多くの子どもたちに知ってもらい教室に来てもらえるよう、働きかけをしていきたい」と話している。
 <問い合わせ>多文化共生コスモ越谷☎090・8310・9522(学習支援担当)