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草加/世界の舞台へ羽ばたけ 「WINGFLAP」

キッズチアダンス 難易度上げ猛練習 まずは国内で優勝

 草加市を中心に活動するキッズチアダンスチーム「WINGFLAP(ウイングフラップ)」が、世界の舞台を目指して練習に励んでいる。目指すは、今年4月、アメリカフロリダ州のディズニーワールドで開催されるIASF(国際オールスターチア協会)主催の「チアリーディング・アンド・ダンス・ワールズ」。チームは2012年、14年にも同大会に出場し、いずれもインターナショナル・ジュニア・ダンス部門で3位に入賞。一昨年も全国大会を勝ち抜いたが、コロナ禍などで渡航を断念した。この悔しさをバネに、チームは今年こそ悲願の優勝をと意気込んでいる。

「WINGFLAP」に所属する幅広い世代のメンバー

悔しさバネ 夢へこぎ出す

 昨年12月、草加市の瀬崎コミュニティセンターでは、メンバーたちが息を切らし、汗を流しながら、猛練習を行っていた。「立ち位置や動線に注意して❢」「笑顔を忘れずに❢」。練習が一区切りつく度に、メインインストラクターの脇坂綾さんやアシスタントインストラクターの岡井彩夏さんから声が飛ぶ。メンバー同士で注意事項や良かった点・悪かった点を再確認。互いに励まし合いながら、約1時間半、練習を続けた。

瀬崎コミュニティセンターで猛練習を行う「ウイングフラップ」クラス

 11月に東京・渋谷の東京体育館で行われた国内大会「オール・ジャパン・チアダンス・チャンピオンシップ」では決勝戦まで勝ち進み、優勝を狙える位置だったが、惜しくも僅差で逆転負けした。これを受けて、ダンスの一部を高難易度の振り付けに変更しているのだ。

 「悔しい経験だったが、自分たちのチアダンスを振り返ることができた」と脇坂さん。「世界の大舞台でダンスができるよう、応援してくれる人に感謝しながら頑張ってほしい」と期待する。岡井さんも、「心、技、体のバランスを備えたチームが勝利する。自分本位にならず、みんなから愛されるチームになることがチーム力につながる」と話す。

 当面の目標は、3月に千葉市の幕張メッセで開かれるチアリーディング指導・育成団体の日本支部「USA(ユナイテッド・スピリット・アソシエーション)ジャパン」主催の「オールスター・ナショナルズ」で優勝することだ。世界の舞台を目指すには、大会で優秀な成績を残し、同支部から世界大会出場への推薦をもらうことが条件だ。

 最年長組としてチームを引っ張る長田唯杏さん(15)(草加市立瀬崎中3年)、布施樹奈さん(14)(同花栗中3年)、芝田周和君(14)(同新栄中2年)の3人も「世界の舞台で優勝を目指す」と口をそろえる。3人は昨年12月、地元・草加でのイベントでチアダンスを披露した際も、チームの中心としてメンバーを引っ張った。

昨年12月、アコスイベント広場で行われた「アコスウィンターフェスティバル2023」での様子

 長田さんは「うれしさも悔しさも分かち合ってきた。このメンバーでチアダンスに挑めるのもあと数か月。練習の成果を発揮し、大切な思い出にしたい」と強く決意する。布施さんも「全員でコミュニケーションを大切にし、一つの目標に向かって頑張りたい」、芝田君も「チアダンスをする姉を見て、人に笑顔や感動を与えられると知り、覚悟を持って始めた。チーム全員を支えられる存在になりたい」と、チームの一体感を強調する。
 チームはその名前通り、世界の舞台で見事に羽ばたく日を夢見ている。

園児から中学生が在籍 協調、積極、思いやりを軸に

 「WINGFLAP」の設立は2007年。カルチャースクールでチアダンスを学び始めた親子が、イベントや大会を通じて「もっとうまく、強くなりたい」と意気投合。呼びかけで集まった9人でスタートした。

 基礎から学ぶ「リバティークラス」、大会で競技を楽しむ「ユニティークラス」、入賞を目指す「ベスティーズクラス」(今後再会予定)、上位入賞を狙う「ウイングフラップ」の4クラスに分かれる。「リバティー」「ユニティー」は月3回、「ウイングフラップ」は月5回、約1~2時間、練習をしている。
 特に大変なのは曲に合わせて振り付けを行う「振り入れ」。2人の指導者が丁寧に教えた後、チームごとに自主的に練習を進めている。

昨年11月、フレスポ八潮で行われた草加警察署の「年末年始特別警戒取締り出発式」での様子

 チアダンスは、柔軟性やリズム感などダンススキルの向上とともに、人を元気づけ応援する「チアスピリット」、何ごとにも前向きに取り組む「ポジティブスピリット」、思いやりや感謝の気持ちを持つ「ボランティアスピリット」が重要とされる。「特に重要なのが協調性、積極性、思いやり」と脇坂さん。「クラスに分かれ、それぞれ幼稚園年中から中学3年まで幅広い世代が在籍しているため、チームワークも重要」と言う。

 10年ほど前に約60人まで膨れ上がったメンバーは、現在、約半分になったが、チアダンスへの情熱は衰えていない。