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三郷/移動書店がやってくる

24、25日 県営みさと公園に大集合

 三郷市内を中心に古本の移動販売を行っている元・大学図書館司書の草薙みちるさん(45)が今月24、25の両日、同市高州3丁目の県営みさと公園で「みさとブックマーケット」を開催しようと奔走している。広場にブースを出展しての書籍販売イベントは数多いが、このブックマーケットは本を車に積んで移動販売を行う書店を集めたもので、全国的に珍しい。草薙さんは「見知らぬ本との出会いや、親子でゆっくり吟味して本を買う楽しさを味わってほしい」と話している。

元司書の草薙さん 開催に向け尽力

見知らぬ本との出会いや楽しみを知ってほしいとブックマーケット開催に奔走する草薙さん

 イベントは午前10時から午後4時まで、同公園の自由広場で開かれる。草薙さんの移動古本屋「ブルーバードブックス」を始め、計7つの移動書店が軒を連ねる。扱う本はそれぞれ異なるが、全体で新刊、古本が半々程度になる予定で、ジャンルも児童書や絵本などからコミック、小説までと幅広いという。

 物語に触れてもらう機会を作ろうと、紙芝居(24日)や読み聞かせ(25日)などのパフォーマンスを用意。また、本屋さんに親しみを感じてもらおうと、移動書店に加え、「みさと書房」「宮脇書店イトーヨーカドー三郷店」「金町大洋堂書店」で1000円以上購入したレシートを本部テントで提示するとスタンプがもらえるスタンプラリーも実施する。

 さらに、来場者に楽しんでもらうため、「冬の屋外を楽しむアウトドア体験」として、たき火やせんべい焼き、焼きマシュマロなどのワークショップのブース、同市観光協会や「日本一の読書のまち三郷」のPRブース、イベント公式グッズの販売コーナーもある。
 入場無料(公園の駐車場は有料)。雨天中止だが、その場合は各開催日前日午後5時までに同公園のホームページ(https://www.seibu-la.co.jp/misato-yoshikawa/)で知らせる。

 草薙さんは横浜市生まれ、千葉市育ち。音響技術の専門学校卒業後にイベント関連の仕事をしていたが、本が大好きで、「きちんと勉強したい」と聖徳大学(千葉県松戸市)の通信制「図書館情報コース」に編入学し、司書と学芸員の資格を取得した。在学中から大学図書館で働き出し、2021年春の卒業後は三郷市早稲田のレンタルスペースで月に1回オープンする古本とワークショップの店「ブルーバードブックス」を立ち上げた。

書店離れに歯止め 買う楽しみ知って

 当時から移動古本屋の構想を温め、22年から県営みさと公園で定期的に古本の移動販売を始めた。その中で、母親と本を見にきた子どもが「本って買えるんだ」と何気なく言ったひとことが今回のイベント開催のきっかけになった。

 最近、街中の書店が軒並み閉店し、子どもが本を購入する機会は大きく減った。一方で、学校や図書館などで本を借りて読む機会は増えている。
 さらに、草薙さんは、子どもたちがページをめくる時に変な跡を付けてしまうことが多いのに気付いた。「本の扱いに慣れていない。本を購入し、自分の物として大切に扱う機会がなかったからでは」と推測。「子どもたちは読書離れではなく、書店離れを起こしている」と考えた。
 今回のイベントでは「本を読む楽しみ、買う楽しみを感じてもらいたい」と草薙さんは話している。