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越谷/給食牛乳 ストローなしで プラごみ減へ児童が提案

大袋東小 SDGsの第一歩、学びを育む

ストローを使わず牛乳を飲む方法を教わる福田市長と児童ら
ストローを使わず牛乳を飲む方法を教わる福田市長と児童ら


 越谷市立大袋東小学校(鈴木秀明校長)6年児童5人が、海洋汚染の一因となっているプラスチックごみを削減するため、給食の牛乳パックを「ストローレス(ストローなし)」に変更することを考え、福田晃市長に提案した。同小が取り組んでいる「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けた活動から生まれたもの。市は、直ちにストローレスに変更することは難しいものの、環境保全に努めていくと回答。児童たちは自分たちの取り組みが市長に知ってもらえたと喜んでいる。

ストローレスを提案した6年2組の児童ら
ストローレスを提案した6年2組の児童ら


 ストローレスを提案したのは、6年2組(担任・宮澤杏実教諭)の小林真心(まこ)さん、亀山優色(うい)さん、山根未羽(みう)さん、飯島千晴さん、吉田陽菜(ひな)さんの5人。
 同小では「総合的な学習の時間」で、国連が定めるSDGsの17の目標のうち14「海の豊かさを守ろう」の達成に向けて活動。海に流れ着くプラスチックごみが生態系に悪影響を与えることを知り、同ごみの削減を課題に設定した。この中で、給食のストローがごみになっていることに気づき、これを減らせば課題解決につながるのではないかと考えた。同小で使用されるストローは毎日約500本。ストローレスにすれば、市内の小中学校全体で年間約500万本の削減になることがわかった。

上手にがぶ飲み開けやすい工夫

 初めは使い捨てストローを使い回しできるストローに替えたらどうかと考えたが、値段が高くて断念。次に、きれいに飲むことができる牛乳パックの開け方を見つけ、クラスの約半数がストローを使わずに飲んでくれた。動画を撮影して4~6年生に見せると、挑戦してくれた児童がたくさんいた。ただ、中には失敗した児童もいたため、高学年でも難しいのに低学年にとってストローを使わないのはさらに難しいと感じたという。活動を進めるうちに、ストローレスでも飲める牛乳パックがあることを知った。ストローが必要なくなればプラスチックごみ削減につながり、開けづらかったりこぼしたりもせず、ストロー代がかからなくなると考えた。
 5人は1月11日、同市教育委員会を訪れ、青木元秀・学校教育部長に「生物や環境にやさしく、簡単においしく給食の牛乳を飲めるようになるととてもうれしい」として、「ストローレスのパックに変更することを希望します」とする「意見書」を手渡した。
 そこで、福田市長は2月19日に同小を訪問。児童たちからストローを使わずに牛乳を飲む方法を教わりながら給食をともにし、同小のSDGsの取り組みを間近で視察した。さらに、「すぐに変更することは難しいが、いただいた意見を参考に、事業者に働きかけながら市として環境のためにできることを考えていく」との回答を児童たちに伝えた。
 提案者の一人、小林さんは「6年2組が環境問題の解決に向けた学習に真剣に取り組んできたことを市長に知っていただけてうれしかった」と述べ、「中学生になっても、私たちにできることは何かを考えて実行していきたい」と話している。
 鈴木校長は、「大袋東小から日本の給食を変え、SDGsの第一歩となるよう、今後とも児童の学びを育てていきたい」と話している。

SDGs 2015年の国連総会で採択された。30年までに、持続可能で、よりよい世界を目指す国際目標。17のゴール、169のターゲット(達成基準)が定められている。14番の「海の豊かさを守ろう」では、プラスチックごみなどによる汚染防止、生態系の保護、水産資源の管理などがターゲットとなっている。