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三郷/柔道始め2年 母国でV

クー選手 全力出し切り一本勝ち

母国マレーシアでの国際大会で優勝し、表彰台に立つクー選手(中央)
母国マレーシアでの国際大会で優勝し、表彰台に立つクー選手(中央)


 三郷少年柔道クラブ(平野行雄代表)所属のフェデリック・クー選手(14)(三郷市立北中学校2年)がこのほど、母国マレーシアで開かれた国際大会で見事、優勝した。柔道を始めてわずか2年での快挙。クー選手を指導してきた師匠の平野さん(6段)は「さらに伸びるでしょう。あとあと楽しみ」と教え子の飛躍に期待している。
 クー君は昨年12月、マレーシア・ペナンで開かれた同国柔道連盟主催の「ペナン・インビテーショナル柔道選手権大会2023」に66キロ級で出場。一回戦は袖釣り込み腰で一本勝ち。準決勝は「相手が力強く、ここで負けるかと思った」が、時間切れ間近、再び袖釣り込み腰で一本勝ち。決勝では「あと一歩と思って全力を出し切って」、最後に大腰で一本勝ちを収め、金メダルを獲得した。
 クー君は「初めての国際大会で緊張したが、日頃の練習と平野先生らの厳しいご指導のおかげで優勝でき、感謝の気持ちでいっぱいです」と話している。
 クー君は11年前、4歳の時に父親の仕事の関係で来日。小学6年の秋、同クラブに入って柔道を始めた。叔父は母国の柔道連盟の役員で、父も柔道経験者という環境が背中を押した。
 練習熱心で、めきめき実力をつけ、昨年、中2で初段に上がった。現在、北中の柔道部に所属するとともに、同クラブで毎週水、土、日曜の3日間、2時間ずつ練習に汗を流している。
 「たった2年でここまで来たのは気持ち。とにかくやる気が違う。絶対練習を休まない」と平野さん。体格はさほど大きくないが、「足技が上手で、かつぐのもうまい」という。
 同クラブは、同市内で整骨院を営む平野さんが1977年に設立。弟子からは、全日本出場選手や筑波大学、日本体育大学柔道部の主将など実力者を数多く輩出している。クー君はそうした先輩に続く近年の逸材だ。
 コロナ禍の2020~21年には半年間練習ができず、柔道をやめていく子どもたちも多かった。そんな中でも、クー君は柔道にひたむきに向かい合ってきた。
 クー君は「これからもお世話になった先生のご期待に応えるため、もっともっと頑張っていきたい」と話している。