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越谷/身近なアウトドア 夢実現 越谷を楽しむ拠点に

カヌーに農業 夢膨らむ キャンプナノ

焚き火コーナーでマシュマロを焼く子どもたち
焚き火コーナーでマシュマロを焼く子どもたち

 越谷市内初のキャンプ場「キャンプナノ」( 妹尾早南(せのおさな)代表取締役)が3月10日、中川の河川敷沿いにオープンした。記念イベントの「ジャガイモ植え体験&ぶらっと焚たき火」には、午前午後各20組が参加し、プチキャンプを楽しんだ。妹尾さん(40)は2021年、コロナ禍で旅行が制限されたことから、身近なキャンプ場設立を思い立ち、3年がかりでようやく夢を実現させた。妹尾さんは「越谷を楽しむ拠点にしたい」と話している。
 記念イベントに参加した家族は、畑にジャガイモを植える作業を体験した。その後はまき割りに挑戦。焚き火コーナーではマシュマロを串に刺し焼いて食べ、大盛り上がりだった。
 東京から九羽馬(くうま)君(9)、九瑠春(くるは)ちゃん(6)を連れて参加した波多江美由紀さん(50)は、「インスタグラムで見てきた。電車で行ける距離で、自然体験ができる。子どもたちの食育にもつながる」と喜んでいた。九羽馬くんは「火起こしを一からやりたかった」と話していた。
 ジャガイモは4月に芽かきと草抜き、5月上旬に土寄せと草抜きを行い、6月には収穫を迎える。このほか、玉ねぎ、ニンニクなども植える予定。
 元々、ママキャンパーだった妹尾さんはコロナ禍の2021年2月、「遠くに出かけられないなら、地元で楽しくリフレッシュできるキャンプ場を作ろう」と運営会社「キャンプナノ株式会社」を設立。夫で元銀行員の浩平さん(41)と共同代表で開設に奔走してきた。
 苦労したのは土地探し。敷地内で栽培した野菜でバーベキューができ、災害時には避難所にもなる土地を探したが、農地法が壁となり難航した。だが、本紙の報道でこのことを知ったポラスグループの「中央住宅」(品川典久社長)が遊休地を貸してくれることになり、実現に一歩を踏み出した。 
 昨年9月からキャンプ場の工事をスタート。管理棟の基礎工事はプロに頼み、ログハウスキットを延べ約150人で組み立てた。ペンキ塗りや内装のしっくい塗りも自分たちで行った。受付、シャワー室、トイレ、おむつ替えシート、温水炊事場、レンジなどを完備し、ミニショップではキャンプで使う調理器具の販売やストーブのレンタルもする。
 敷地面積は約1000平方㍍。テントサイトは計8区画。大きさや駐車スペースの有無で3タイプに分かれる。各サイトには焚き火台も設置されている。テントからコンロまで一式借りられる手ぶらプランも検討中。ファミリー農園のみを借りることもできる。
 妹尾さんは「川を活用してカヌー体験ができればいい。農業も一緒に楽しめる場であれば最高」と夢を膨らませている。

開設記念イベントの参加者ら
開設記念イベントの参加者ら