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「コーセーMH型」の万年筆
「コーセーMH型」の万年筆


 東京都足立区に本社を構え、草加市に支店を置く複合機・パソコン・情報発信機器の総合商社「ビジネスランド」(細谷行秀社長)が3月で創業100周年を迎え、同社が終戦まで製造していた「コーセー万年筆」を持っている人を探している。
 同社は1924年(大正13年)、故・細谷光正氏が足立区千住に「細谷紙店・コーセー萬年筆本舗」として創業。当時は、足立区と向島区(現・墨田区)でわら半紙の配給元として活躍。製造していた万年筆は、戦後のベビーブームとともに、入学祝い、入社祝いの必需品となった。51年(昭和26年)に文房具・事務用品・オフィス家具の「好正堂」となり、85年(同60年)に現社名となった。
 探しているのは、同社が製造していた万年筆「コーセーMH型」。MHは創業者の光正氏のイニシャルから取ったもの。光正氏は終戦の頃まで腕の立つ職人としてMH型を作り、「丈夫で書き味が良い」と評判だった。特に戦時中は、多くの出征兵士が、母や妻、子の書いた字をそのまま万年筆に刻み、軍服の胸ポケットに秘め、戦地に向かったという。
 同社は創業60周年を迎えた84年(同59年)にもMH型を探した。この万年筆が1本も手元になく、「社の歴史を語る上でも欠かせない品なので」と呼びかけたところ、1本だけ見つかったという。MH型は今の万年筆より太く、色は黒。キャップは回して外す。
 所有している人が譲ってくれる場合、高価で買い取りたいと、細谷好正専務は話している。
 問い合わせはビジネスランド草加支店(草加市金明町310)☎︎935・0200。