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ふるさと納税で動物愛護・越谷市が寄付金を募集

 越谷市は、ふるさと納税を猫の不妊手術など動物愛護に活用する「動物愛護推進プロジェクト」を企画し、4月25日から、“ガバメントクラウドファウンディング”(インターネットによる資金集め)による寄付金募集を始めた。目標額は370万円で7月24日まで募集する。寄付金は、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費の補助や、動物の手術用具購入などに使われる。ふるさと納税のガバメントクラウドファウンディングを動愛護に活用するのは県内自治体では初めて。
 コロナ禍の巣ごもりなどで、犬や猫などのペットがブームを呼んでいる。同市保健所は2015年から、「飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費用補助制度」をスタートし、猫を保護した市民らに、オスは4000円まで、メスは6000円まで手術費を補助している。
 しかし、「年間予算100万円で約100匹に対し補助しているが、希望が多く、予算を途中で使い果たしてしまっている現状」と同保健所生活衛生課の西山徹・副課長。「何とか市民のニーズに応えたい」と考えたのが、「ガバメントクラウドファンディング」。
 これは、ふるさと納税サイトの「ふるさとチョイス」を運営する「トラストバンク」(本社・東京都渋谷区)が提供するクラウドファンディング。自治体が、地域課題への具体的解決策などのプロジェクトを立ち上げ、賛同者から広く寄付を募るシステム。「ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディング」のホームページからプロジェクトの「寄付する金額」を入力し、決済方法(クレジットカードやコンビニ支払いなど)を選択すると寄付できる。
 同市は7月24日までの91日間募集し、寄付金の使途は、①飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費補助金の増額に20万円②動物の手術用具の購入に140万円③野外猫生息数調査の実施(委託料)に210万円――としている。
 同市保健所の獣医師・矢神和広さんは「年間約290件もの苦情や通報があり、猫を保護している。虐待され傷だらけの猫も多く、治療している」という。「今回の募金で手術台や照明などを購入して、麻酔を使っての手術ができるようになる」と話す。
 一方、保護猫を預かり飼育している市民ボランティア団体「かにさんズにゃみりー」の代表女性(60)は、「保護活動を21年やっており、これまで1000匹以上を飼育し希望者に譲渡してきた」と話す。主に生まれたばかりの子猫をメインに現在も自宅に15匹飼っている。これらは月1回開催の「譲渡会」で希望者に譲渡しているという。
 代表女性は「このプロジェクによる補助金の増額は大変助かる」と話す。
 同保健所の鈴木一良・生活衛生課長は「寄付金が目標額に達した場合は、募集期間内でも受け付けを終了する。人と動物が安心して暮らせる環境を目指したい」と話している。
 <問い合わせ>越谷市保健所生活衛生課TEL048・973・7532。