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越谷の人形作家・小澤さん 22日から「創作人形展」

人形を製作する小澤さん


 越谷市赤山本町の人形作家、小澤政美さん(76)が、地元越谷で初めての「創作人形展」を22日から25日まで、同市中央市民会館2階市民ギャラリーで開く。

 小澤さんはもともと、県の伝統的手工芸品に指定されている「越谷ひな人形」の顔や髪の毛をつくる「頭(かしら)部」を製作する職人。県の「伝統工芸士」でもある。父親の故・正男さんのもとで15歳から腕を磨いてきた2代目。約60年にわたり人形に取り組んできたが、少子化や生活習慣の変化で「ひな人形」の販売は下火になり、15年前にひな人形作りをやめた。
 それでも、人形好きが高じて、20年前から独学で創作人形作りを始めた。桐きりの木を削りだして作る本格的なもので、衣装も自宅にある古着をリサイクルして自作する。顔は本職だけにお手のもの。さまざまな表情をつくる。

展示される和楽器シリーズの人形


 創作人形は高さ22㌢から25㌢ほど。「和楽器シリーズ」と題した人形は、鼓を打つ女性や笛を吹く女性など3人。髪の毛は絹を染めた糸状のものを1本1本手作業で縫い込み、自然の髪型に見えるように整える。
 人形の命ともいえる顔の部分について小澤さんは、「人形を作るうえで最も重要。細かくまつ毛をつけたり、目の表情を変えたりと繊細な部分が多い。一番大事なのは眉毛。1本1本細かい筆使いで描き、その形一つで表情全体が変わる」と話す。
 これまで作った創作人形は100体を超える。「赤ちゃん」や「一休さん」などユニークなものもある。図面を描くことから始め、胴体から頭まですべて桐の木の削り出しから作るので時間がかかる。人形が手に持つ楽器などもすべて手作り。1体仕上げるのに3か月かかるという。
 「ひな人形ばかり作ってきたので、創作人形の顔も、ひな人形のイメージになってしまうのが悩み。もっとバラエティーに富んだ顔が作れるように勉強中です」と職人らしく技術にこだわる。創作意欲は尽きない。

 「創作人形展」は厳選の27作品を展示する。展示時間は午前10時から午後5時(最終日は午後3時)まで。入場無料で、写真撮影もできる。
 <問い合わせ>小澤さん☎962・3652。