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大野知事が「ふれあい訪問」 越谷、草加の工場を視察

「中島プレス工業」で大野知事(中央)に機械の説明をする小松崎社長(左)(右は福田・越谷市長)
「中島プレス工業」で大野知事(中央)に機械の説明をする小松崎社長(左)(右は福田・越谷市長)


 大野元裕知事は14日、越谷市と草加市を訪れ、地元企業で経営者らと交流を深めた。知事が埼玉県内各地の現場で意見交換を進める「ふれあい訪問」の一環。
 越谷市では、フィルムやウレタン、フェルトなどの型抜き加工を手がける中島プレス工業(同市増森、小松崎いずみ社長)を訪問した。同社は武家社会の礼法の一つで、和紙で進物を包む「折形」を手軽につくれる商品「ORU-KOTO(おる・こと)」を開発した。プレス技術で不織布を折り、形状記憶加工した見本帳や薄く折り目を付けた県産の伝統的和紙「細川紙」などを販売する。「不織布への形状記憶加工」は特許を取得している。
 大野知事は小松崎社長(55)の案内で工場を視察。断熱材や防音材の型抜きや電子部品のパッキン材の加工ラインなどを見学。在庫や工程は「デジタルトランスフォーメーション(DX)」で管理しているとの説明を受けた。さらに障害者雇用を積極的に行い、フレックスタイム制の導入など従業員が働きやすい職場作りに取り組んでいることなどを聞いた。
 意見交換会で知事は「ORU-KOTO」を実際に手に取り、「県産の和紙を使って形状記憶にする技術は素晴らしい。いち早くDX化に取り組み、障害者雇用にも力を入れ、ものづくりを通して地域を発展させている」と話した。
 小松崎社長は「特許の不織布の形状記憶を活用した商品は県の展示商談会『ビジネスアリーナ』にも参加し、多くの商談を受けた。これらの商品は、市内の就労移行支援事業所の協力を得て、常に複数人が工場に勤務している。今後も加工技術を生かした商品開発に取り組む」と述べた。
 知事はこのほか、越谷市の食品ケースなどに使われる熱交換器の専門メーカー「サンライズ工業」と草加市の皮革職人集団とクリエイティブチームが連携したプロジェクトチーム「LEATHER TOWN SOKA project team」を視察した。