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現職、新人の一騎打ちか・吉川市長選19日投開票

 吉川市長選へ立候補を予定している加藤氏(左)と中原氏

 任期満了に伴う吉川市長選挙は12日告示、19日投開票で行われる。同市長選には、現職の中原恵人氏(52)=無所属=が3選を目指すほか、新人で元市議の加藤克明氏(55)=無所属=が立候補を予定しており、一騎打ちになる公算が大きい。なお、市議会議員補欠選挙も同日行われる。同市の選挙人名簿登録者数は5万9390人(男2万9479、女2万9911)=2022年12月1日現在=となっている。

中原恵人氏 

「市長として2期8年。減災や危機管理、市民参画の充実、子育て支援に力を入れてきた。現在、市が取り組んでいる施策はすべて、継続が必要『価値ある未来を、共に』を理念に、『市民との共動』によるまちづくりに全力で取り組んでいく」と出馬を表明した。
 2期8年を振り返り、「市民との共動」に力を入れた。市政に対し多くの市民の意見を聞こうと「市長キャラバン」を実施し、新庁舎の規模や内容など広く聞き入れ、設計に生かした。同キャラバンはのべ47回実施し1488人の市民が参加した。専門的知識や経験のある研究員が市民目線で地域課題を提起し、調査・分析を経て課題解決方策などを市へ提言できる「市民シンクタンク制度」も設けた。
 3期目も引き続き、三輪野江地区に「吉川農業パーク構想」を立ち上げ、具体化する。「吉川の新たな拠点として、道の駅と農業パークを整備し、体験型農場のほか、植物工場やナマズの養殖場、レストランを整備して、物流も含めた6次産業化を目指す」と目標を掲げ、「高齢者や障害者の雇用につなげたい」という。
 また、JR吉川駅北口ロータリーを全面的に改修し、「雨に濡れずに移動できるように歩道に屋根を設置。一般車の駐車・停車エリアを設け、ロータリーに入らず送迎を可能にする。さらに、JR吉川美南駅東口に市民ホールと図書館機能を持たせた「情報メディアセンター」を建設。同市初のホテル建設にも取り組むという。

 中原 恵人氏(なかはら・しげと) 市長。教育事業を行うNPO法人「Future School 燦」理事長。筑波大第一学群政治学科卒。趣味はスポーツ、バイク、旅など。家族は妻、長男、二男、長女の5人家族。吉川市保462の1。千葉県出身。

 

加藤克明氏

「市議として11年活動。吉川市のポテンシャルはこんなものではない。現状を打破し、国や県、近隣市町との協調で10年後を見据えた『よしかわ再起動』をしたい。人や企業に選ばれるまちづくりをする」と出馬の動機を述べた。
 市議3期11年で「生活困窮者世帯など、貧困の連鎖解消に小学生からの学習・生活支援事業に特に力を入れた。現在、経済的な理由で学習塾に行けない小中学生約30人にボランティアによる学習支援員が児童生徒に勉強を教えている」という。
 「行政が行う子育て、教育、福祉などさまざまな市民サービスを充実させるには財源の確保が大変重要。行政主導による旭地区の工業団地を拡張し、産業の拠点化を目指す。税収を伸ばし財源の確保を行う」という。そのためには、「国、県、近隣市との協調が重要だ」と強調する。
 現在、市が進めている三輪野江地区の「農業パーク構想」は見直す。「市は農家の声を聞いていない。後継者がいない現状の中、農地のままでは将来の見通しが立たない。都市計画を見直し、農業公園は旭地区に開設。農業体験施設や子どもたちが遊べる遊具広場や広域災害避難所にもなる総合公園の整備を目指す」。
 さらに、旧庁舎跡地におふろ付きの老人福祉センターをつくり、使用していない屋外市民プールを解体し、老朽化した総合体育館の再整備を行う。18歳までの医療費無償化と幼稚園と保育園の給食費を無償化するなど、子育て支援にも力を入れる。

 加藤 克明氏(かとう・かつあき) 元市議。埼玉栄高校を卒業後、東武鉄道バス事業部で自動車整備士として勤務後、2012年2月に市議に初当選。3期目途中で昨年12月に辞職した。趣味はソフトボールやゴルフなどのスポーツ。家族は妻と長男、長女の4人家族。吉川市栄町1443の2。吉川市出身。