草加市

草加・長栄町天満宮建て替え

  325年の歴史を誇り、地域のシンボルになっている草加市長栄町の「長栄町天満宮」の神殿が、このほど建て替えられた。老朽化に伴い、氏子会(関根隆・氏子総代、会員32戸)が、町会員らから寄付を募ってリニューアルしたもの。遷座(せんざ)祭が8月2日に行われ、新装なった地域のシンボルを祝った。

 同天満宮は長栄町会館の隣にあり、建立年代は不明だが、ご神体の菅原道真の木像と共に収められている金属製の幣束(へいそく、神に供える捧げもの。祭祀道具)には、「元禄9年(1696年)」の記述がある。代々、地元農家らでつくる氏子会が大切に守ってきた。

 氏子会が開く越年祭では、例年、みかんや豚汁、甘酒が振る舞われてにぎわう。受験シーズンには受験生がお参りに多数訪れている。

  昭和40年代に造られた神殿は小さなほこら。木材の腐食などで老朽化している上、児童公園内にあって危険なため、氏子会は建て替えを企画。町会などを通じて資金を募ってきた。

 完成した神殿は、国産ヒノキを主にしてスギ、ヒバを使い、銅板ぶきの屋根。床面積2・22平方㍍、高さ3・5㍍、左右1・82㍍、奥行き1・22㍍と大きくなった。氏子会会員の「髙中板金工業」、木造注文住宅会社「リアルウッド」が協力した。

 関根氏子総代(63)は「予想以上の寄付金が集まり、地域の皆さんの心のよりどころとわかった」と話す。

 今年の大みそかの越年祭では、建て替え記念の振る舞いを行う予定。昨年独立した組織になった氏子会は、「地域で代々受け継がれてきた天満宮を守り続けたい」としている。