草加市

草加の姉妹が猫の避難ケージ開発

ペットブームの中、「災害時に飼い猫を連れて避難できるだろうか」と不安を抱く人も多い。周囲への迷惑を考え、指定避難所に行けないという飼い主も。そんな悩みを解決しようと、草加市内の姉妹がこのほど、会社を立ち上げ、持ち運びやすい猫の“避難ケージ”を開発する一方、ペット受け入れ可能な避難所情報などの発信を始めた。「ペットと避難できることは、飼い主の命を守ることにもつながる」との取り組みを紹介する。

 一昨年3月、「猫のとびら合同会社」を立ち上げたのは、会社員や主婦のかたわら、保護猫活動をしてきた同市親善町の山下初子さん(60)と、妹の元山信子さん(54)(代表は山下さん)。

 姉妹は、東日本大震災などで被災者から、「避難所で猫の受け入れを拒否された」「迷惑をかけるので避難所に行けなかった」――などの話を聞き、「猫がストレスなく過ごせ、他の避難者にも迷惑がかからない猫用の避難ケージが必要と感じた」という。

 2018年には環境省も「人とペットの防災対策ガイドライン」を策定し、指針を示していた。

 市販品を探したが、中が狭く、高齢者や女性には重いものが多かった。このため、山下さんらは独自に開発しようと決意。スチールなどさまざま試した末、京都府内の会社製造の硬くて軽いプラスチック製段ボールに着目し、試行錯誤して完成させた。

 出来上がった猫用避難ケージ「いっしょに避にゃん」は高さ43㌢、奥行き43㌢、幅68㌢。約3㌔と軽量、折りたたみ式で専用トートバッグに収容できる。工具なしで組み立てには1分もかからない。ワンタッチベルトやマジックテープで固定すれば、逃走防止になる。防水性に優れ、丸洗いできる。表の扉のほか、肉球形の採光と通気孔を表と裏の両面に付けた。猫のストレス軽減のため、内部は程よい暗さ。約半分をトイレスペースにして、猫を安心させる工夫をしている。

 また、山下さんらは、避難上へのペット同行の可否など各自治体の情報を調べ、ホームページで公開している。東京都内は掲載済みで、県内は15市分を掲載し、順次追加していく予定。また、「ペット防災のアドバイスができる会社を目指し、ペット防災セミナーなども企画したい」という。

 避難ケージは1個1万9800円(税、送料込み)。すでに岐阜県山県市も購入して避難所に備蓄している。姉妹は「ペット防災は人を助ける防災。人もペットも命を守ってほしい」と話している。

 「猫のとびら」ホームページは(https://nekotobi.com/)。問い合わせは同社048・954・4652。