埼玉県立大学(越谷市三野宮)は6月20日、隣接地域の高齢者にスマートフォンの使い方を指導する「県立大学スマホサロン」を立ち上げた。「気軽に丁寧に教えてもらえる」と大好評で今後、定期的にサロンを開くことになった。
サロンは、同大に隣接する「千間台西地域支え合い会議」との共催。支え合い会議は、地域住民が主体となって課題解消に取り組む自主組織。同市社会福祉協議会が推進しており、現在、市内8地区で結成されている。
千間台西地域の支え合い会議の目標の一つが「スマホ教室の開催」。高齢者にとって必需品になってきたが、「スマホを教えてもらう機会がない」といった声があるため、同会議は同大にスマホ教室開催を依頼したもの。
これを受けて同大は、「地域連携の一体的推進事業」研究プログラムとして、社会福祉子ども学科の小川孔美准教授(54)を責任者として、積極的に取り組むことになった。学生たちのボランティアサークル「やどり木」も参加した。
サロン当日、65歳以上の約30人が会場の同大学キャリアセンターと同センター前広場に集まった。机といすが並べられ、学生約20人が順番に対応した。
「写真を孫に送りたいが、方法がわからない」「文字の入力方法を教えて」「電車の時刻表を知りたい」「LINEをやりたい」――など高齢者らは次々に質問。学生たちはマンツーマンで、1人1時間以上をかけてじっくりと指導していた。
主婦、永山絢子さん(65)は「LINEの写真の送り方とバスの時刻表の探し方を教わった。孫のような若い子たちで楽しかった」と喜ぶ。指導役の丹内楓香さん(20)(看護学科2年)は「普段、お年寄りの方と接する機会はないので、わかりやすい言葉を心がけた」と話し、樋口沙耶菜さん(20)(同)は「画像をパソコンに送る方法などを教えた。とても熱心に聞いてくれて、自分の勉強にもなった」と充実した表情だった。
小川准教授は「とても多くの希望者に驚いた。スマホを通して、地域の方と大学生がつながる試みとして注目している。学生にとっても地域との関わり方は勉強になる」と話していた。
スマホの操作教えます・県立大が「スマホサロン」