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越谷の一色さん「準大賞」・読売書法展(調和体)で

 越谷市南越谷の書道家、一色久子(いっしき ひさこ)さん(60)が、「第38回読売書法展」(読売新聞社、読売書法会主催)の「調和体部門」で「読売準大賞」(第2位相当)を受賞した。受賞作品は、8月26日から9月4日まで東京都港区六本木の国立新美術館で展示された。今月5日から「北海道展」として、札幌市中央区の札幌市民ギャラリーで展示される。

 今年の同展への応募総数は1万3509点。このうち、9544点が入賞・入選した。「読売準大賞」には漢字、かな、篆刻(てんこく)、調和体の4部門で9人が選ばれた。

 一色さんの受賞作品は「牛若丸『唱歌』」。60㌢×240㌢の横長の和紙に漢字とかなを交ぜた「調和体」で書いた。
 「京の五条の橋の上/大のおとこの弁慶は」で始まる唱歌の1番をリズミカルに書いた。一色さんの師の同展審査部長の土橋靖子さん(66)は「題材そのものの持つリズムを見事に反映させつつ、リズムよく表現し、漢字とかなの調和も見事」と評した。

 一色さんは2016年に「読売奨励賞」、17年に「読売新聞社賞」を受賞し、読売書法会理事となった。準大賞の受賞に、一色さんは「最初は信じられず、びっくりした。書道家として最高の喜び」と話す。
 モチーフの「牛若丸」は「コロナ禍で社会に元気がないので、幼い頃に口ずさんでいた明るい歌を選んだ」という。昨年末から約2000枚を書き損じて完成させた。

 越谷市南越谷生まれ。3歳から書道を始め、中学生から吉川市の書道家で、読売書法会理事の木村笛風さん(故人)に学んだ。大学卒業後、会社勤めのため書道から離れた時期はあったが、子育てのため退社後に書道を続け44歳の時、土橋さんに師事した。「還暦の年に受賞できて区切りとなった。日本の古典文学や唱歌などを作品にしていきたい」と一色さんは決意を新たにしている。