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「お口の健康」市民に指導 県立大で3年ぶり「清透祭」

歯科衛生士を目指す学生(右)が講師役 となって市民の歯の健康をチェック


 埼玉県立大学(越谷市三野宮)の大学祭「清透祭」が10月29、30日の2日間、開催された。3年ぶりに大学構内を会場に対面で開催され、市民ら多くの人が来場した。

 学生が日頃学んでいる知識や技術を生かした公開講座「お口から始めよう!健康づくり講座」は特に人気で、10代から80代まで幅広い年齢層が訪れた。歯科衛生士を目指す口腔(こうくう)保健科学専攻の学生が講師役となって、「正しい歯の磨き方」の指導や「歯や口の悩み事」の相談などを受けた。本来なら来場者が実際に口を開けて診てもらうが、新型コロナウイルス感染予防のため、歯の模型を使った説明にとどめた。

 「歯の汚れは虫歯や歯周病の原因。80歳になっても自分の歯で食べるためには、適切な歯磨きが大切」と口腔衛生を学ぶ講座。来場者から「入れ歯がかみ合わない」や「歯茎がしみる」、「親知らずがうまく磨けない」、「ホワイトニングは体に負担はないか」などさまざまな相談が寄せられた。
 講師役の学生たちは歯の模型と歯ブラシで正しい歯磨きの仕方を指導。奥歯は「ヘッドの小さな歯ブラシで丁寧に磨くこと」と説明していた。相談した矢作真依さん(23)は「ホワイトニング歯磨きの1日の使用頻度を尋ねました。あまりやりすぎてもいけないことが分かりました」と納得した様子だった。40代の女性は「治療でブリッジにした歯のすき間に食べ物が挟まるので困っていた。フロスと呼ばれる糸状のもので掃除するといいことが分かった」と話していた。

 口腔保健科学学科3年の吉田果鈴(かりん)さん(21)は「初めて学外の人に歯磨き指導などをした。最初は緊張したけど、慣れてくるとペースがつかめた。実際に歯を見られないので、言葉だけで伝える難しさを感じた」と話していた。
 同学科の秋山恭子・准教授(37)は「3年ぶりの対面での学園祭なので、学生たちは張り切っていた。歯の模型を使い人に見てもらうことで、歯科衛生士になった時に役立つはず」と話していた。

 コロナの影響でさまざまな制限がある中、学生でつくる清透祭実行委員を中心に対面開催に向けて企画を考えた。実行委員によるイベント、サークルによるステージ発表をはじめ、公開講座などが行われた。
 フィナーレを飾る恒例の打ち上げ花火は、地元の越谷市千間台西連合自治会の協力で実施。30日午後6時30分から約30分間、打ち上げられ、地域の人も楽しませた。