最新のニュース 草加市

草加市/草加から「水引」の楽しさを全国へ

 日本の伝統文化「水引」を普及させようと、草加市新善町の主婦、小久江静香さん(43)が昨年、知り合いとともに一般社団法人「日本水引クリエイト協会」を立ち上げた。〝水引のプロ〟を養成する「水引クリエイター資格認定講座」を独自に考案。同資格は4段階の段位を設け、段位取得は1日の講座受講で取得可能。「初伝(初段)」の資格取得後は、すぐに認定講師として地域で講座を開講できる。全国でも珍しい試みに、小久江さんらは「草加から全国に日本の伝統文化である『水引』の楽しさを届けたい」と意欲をみせている。

水引の作品を手にする「日本水引クリエイト協会」の小久江代表

 「水引」は、和紙をよって長い〝こより状〟にし、米のりを引いて乾かして、ひも状にしたものを複数本まとめて貼り付けたもの。慶事には紅白や金銀などのカラフルな色遣いが用いられ、弔事では、黒白や銀白などが使われている。
 また「水引」には、未開封や封印、魔よけなどのほか、人と人を結び付ける意味もあると言われているが、現在の祝儀袋などは既に水引が印刷されたものが多く、贈り主が自ら水引を結ぶ習慣は少なくなった。

 新型コロナウイルスの影響で外出自粛となった3年前、自宅にいる時間を楽しむ手段として、日本の文化伝統の一つ「水引」の手作りも、ひそかなブームになった。コンビニエンスストアなどで既製品を買うことの多いご祝儀袋や不祝儀袋を自分好みにアレンジできることなどから、女性を中心に挑戦する人が増えていったという。
 12年前にラッピング(包装)の技術を身に付ける中で「水引」の基本を身に付け、その後も独学で「水引」の技術を学んだ小久江代表は昨年、「自信も技術も伝えたいこともある。求めている人もいる。やらない理由がない」と一念発起。同協会を立ち上げた。

小久江代表が制作した水引の髪飾り

 現在、小久江代表は同協会東京本部代表として、「初伝」「中伝」「奥伝」「皆伝」と4段階の段位を設けた「水引クリエイター資格認定講座」を開催し、「水引」のプロを養成している。また、「水引」に関連して、ラッピング専門家としても活躍している。
 講座では「初伝」から徐々にスキルアップができるほか、初心者でも基礎から取り組むことが可能。「初伝」取得後からすぐに「協会認定クリエイター」の認定講師として知識や技能を教えることができる。

 また、資格認定講座以外にも「水引アラカルト講座」を開催。こちらは1講座90分程度で、1日3テーマごとの開催。経験の有無を問わず、講師が手ほどきをするので、誰でも気軽に小物などを制作することができる。

 小久江代表は「水引には、包みを留める役割だけではなく、結び方によって贈り主の心も表現する。また、置物や髪飾りなど、立体的な小物も制作できる。大切な人への贈り物や、自分のご褒美など用途はさまざま」とし、「水引の楽しさを草加から全国に広げたい」と目標を定めている。