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スマホで介護予防へ 越谷市と「ベスプラ」社が共同研究

「ベスプラ」社の遠山社長からアプリの手ほどきを受ける参加者
「ベスプラ」社の遠山社長(左)からアプリの手ほどきを受ける参加者

65歳以上の市民対象 アプリで脳トレ、食事管理 ポイントためて買い物に

 スマートフォンのアプリ(ソフト)を使って介護予防を図り、ポイントをためて買い物も楽しんでー。そんなユニークな取り組みが越谷市で2月27日から始まった。同市とITサービス事業会社「ベスプラ」(東京都渋谷区、遠山陽介社長)による県内初の共同研究事業で、同社が開発した「脳にいいアプリ」を活用した実証実験。このアプリは歩数、脳トレゲーム、食事管理などができ、65歳以上であれば、それぞれ目標を達成するとポイントが付与される。たまったポイントはキャッシュレス決済に移行でき、買い物の支払いに使える。本格導入は今年6月からを予定。実証実験にかかる費用はベスプラ社が負担する。同市は「アプリで運動や脳の活性化、食事の意識改善を図り、フレイルと認知症予防になれば」と期待している。

 この日は説明会が開かれ、65歳以上の市民約40人が参加した。同市社会福祉協議会が養成している、スマホの使い方を地域の人に教えるボランティア「スマホマイスター」たちだ。
 越谷市とベスプラ社は昨年10月、共同研究の協定を締結。「脳にいいアプリ」を活用して、高齢者の生きがいづくりやフレイル予防などの事業を展開していく。今回の説明会はその第1弾。福田晃市長が掲げる「こしがや元気〝光齢者〟(こうれいしゃ)プロジェクト」の一環。
 説明会では、同市社協と同市地域共生推進課職員が説明。遠山社長(43)も立ち会い、参加者のスマホにアプリをインストールした。
 「脳トレ」機能では計算や絵合わせパズル、間違い探しなどのゲームができる。特にパズルには苦労する人が多く、「難しい、わからない」という声も。ゲームが終わって「脳年齢」が表示されると一喜一憂していた。
 「脳にいいアプリ」は、朝起きてスマホを起動すると1ポイント。体重・血圧・血糖値のいずれかを入力すると1ポイントと、活動するたびにポイントが付与される。散歩して、例えば1日6000歩などと設定した目標歩数を達成したり、脳トレゲームを1日5回やったり、その日食べた食品をタップして目標食事品目数を達成したりしても1ポイントたまる。
 説明会に参加した市内弥栄町の主婦、三田寺しず江さん(76)は「楽しみながら健康管理ができそう」と笑顔。市内恩間の主婦、中井ともえさん(69)も「脳トレが面白かった。自然に毎日健康チェックができるので、他の人にも勧めたい」と話していた。今回の参加者は本格稼働前のモニターとして先行実施。課題や改善点を抽出し同社が段階的に対応していく。
 遠山社長は「参加者がスマホマイスターで操作に慣れた方ばかりだったので、スムーズに設定できてよかった。健康アプリ利用状況の分析・研究を行い、機能向上を図りたい。越谷の高齢者の方の健康増進につながれば」と話していた。
 同市地域共生推進課の関泰輔・課長は、「来年度から市内地区センターなどで説明会を開催し、まずは利用者を増やしたい。今後は市主催の事業やイベント、介護支援ボランティア活動への参加をした高齢者にポイントを付与していくことを検討しており、幅広い利用を呼びかけたい」と話している。

 「脳にいいアプリ」は、認知症研究で世界的に有名なスウェーデン・カロリンスカ研究所の研究をベースに、「ベスプラ」社が開発したアプリ。運動・脳トレ・食事など複合的な活動を管理できる。「歩いて運動」「隙間時間に脳トレ」「脳に良い品目を食べる」だけで、簡単に脳の健康維持ができるのが特徴。人工知能(AI)が年齢・性別・体格にあった無理のない日々の目標値を設定してくれる。利用者は日々達成感を得ながら健康維持に努めることができる。