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緊張の初舞台に盛大な拍手 越谷 子どもだけの管弦楽団

越谷市に誕生した「ジュニアユースオーケストラ」のお披露目コンサート
越谷市に誕生した「ジュニアユースオーケストラ」のお披露目コンサート

フレッシュな演奏披露


 越谷市に初の子どもたちだけのクラシック音楽の管弦楽団「越谷ジュニアユースオーケストラ」が誕生した。4月22日、同市中央市民会館劇場でお披露目となる「設立披露コンサート」が開かれ、バイオリンやチェロ、トランペットなど23人の団員がフレッシュな音を響かせた。会場には約300人の観客が訪れ、子どもたちが4曲を演奏し終えると、割れるような拍手を送っていた。観客たちは「素晴らしい演奏。今後が楽しみ」と感動した様子だった。

だるまの目入れが行われた設立式典
だるまの目入れが行われた設立式典


 コンサートは、だるまの「目入れ」などが行われた設立式典の後、始まった。団員は市内に住む7歳の小学2年生から15歳の中学3年生まで23人。楽器はバイオリン、チェロ、フルート、クラリネット、トランペットに打楽器。指揮はトランペット奏者の関根志郎さん(37)が務めた。
 1曲目は1957年のフランス映画の主題歌「河は呼んでいる」(ベアール作曲)。スローテンポで、バイオリン、フルートの子どもたちが息の合った演奏を披露。途中でパーカッションが元気よく演奏し、弦楽器を盛り上げた。
 メインは有名な「シンコペーテッド・クロック」(アンダーソン作曲)。越谷市民交響楽団との共演で、舞台に約50人が上がり、フルオーケストラで演奏した。アップテンポの独特のリズムで、時計の音をコミカルに表現した曲で、オーケストラらしい厚みのある音が響いた。
 最後は「おもちゃのチャチャチャ」(越部信義作曲)を披露。演奏が終わると、訪れた子どもからお年寄りまで多くの聴衆から大きな拍手に包まれた。アンコールとして「ラデツキー行進曲」(ヨハン・シュトラウス1世作曲)を演奏した。
 バイオリンの柏木莉奈さん(9)(小学3年生)は「とても楽しい1日でした。おじいちゃん、おばあちゃんが聴きに来てくれて、たくさん褒めてくれました。アンコールでお客さんの手拍子と一緒に演奏できたのが最高でした」と元気いっぱい。
 打楽器の賀川威槻(かがわ・いつき)君(7)(小学2年生)は「練習ではたくさん失敗していたので、良い音楽会になるか不安でした。本番の幕が上がった時はとても緊張したけど、音を出してみたら楽しくて、あっという間でした」と笑顔で話した。
 同オーケストラは、市内初の子どもだけの管弦楽団を作ろうと、市内の演奏家ら11人が一昨年4月、「設立準備委員会」(小山純子委員長)を発足させた。昨年8月、団員募集のための「オーケストラ養成講座」を開催。団員となった23人は昨年10月から月2回、練習を重ねてきた。
 団員の半分は初めて楽器に触れる子どもたち。市内外の演奏家たちが指導し、足りない楽器は市民から寄付してもらうなどして用意した。
 フルート奏者で同オーケストラ代表の小山さん(48)は「お客さまの温かな眼差しに見守られながらこの日を迎えられ、感謝の気持ちでいっぱい。課題は多くあるが、音楽の力をたくさん実感してもらえるよう、子どもたちの頑張りを支える土台作りに尽力したい」と語った。
 今後目指すのは、小学生から高校生まで60人規模のオーケストラ。定期演奏会を開いていくのが目標だ。