吉川市

吉川/1票の大切さ学ぶ

吉川美南高で模擬投票

生徒たちが意中の候補者に1票投じる
生徒たちが意中の候補者に1票投じる

 県立吉川美南高校(久保健丸校長)は3月13日、1、2年生約300人を対象に「主権者教育」を行った。若い世代の投票率が低いこともあり開いたもので、同校では初めて。県選挙管理委員会、同市選挙管理委員会の協力の下、県の「選挙啓発出前講座プログラム」に基づき、県の「選挙カレッジ生」(大学生の選挙啓発ボランティア)に投票などについて説明してもらうとともに、生徒たちに模擬投票を体験させた。
 講座では、カレッジ生が選挙について説明。「暇がない」「誰に入れたらいいか分からない」という生徒に対し、投票はさほど時間がかからず、期日前投票も可能で、立候補者をインターネットなどで調べることもできるとして、選挙参加を促した。
 その後、カレッジ生たちが候補者に扮して演説を行った後、生徒たちが意中の候補者に1票を投じた。投票箱や投票用紙は本物が用意された。開票は生徒3人が手伝い、当選者を発表した。最後は「得票が同数の場合どうするか」などのクイズが行われ、公職選挙法で「くじ引きで決める」と規定されていると聞き、生徒たちは驚いていた。
 16歳の1年女子は「若い人たちの選挙への関心が減っているが、講座で興味がわいた。選挙に行ってみたいと思った」と話していた。17歳の2年女子は「自分には関係ないと思っていた。若い人が選挙に行かないと、選挙に行った高齢者だけの街づくりになる。自分たちが生活しやすくするためには選挙に行った方がいいと思った」と話していた。
 この講座は、以前、県立三郷工業技術高校で「主権者教育」を行った甲斐正樹教頭が、県選管に申し込み実現した。「高校生は在学中に選挙権を得る生徒が出てくる。政治で投票について勉強してはいるが、実際どうなのかを体験してもらいたい」と甲斐教頭は、話していた。同市選管の服部純子委員長は「日常生活で選挙に触れる。興味を持つことで生活が変わる。主権者教育を勉強してもらって、次につなげてもらいたい」と話していた。
 なお、同市では、小学校6年生をターゲットに定期的に「主権者教育」の講座を開いている。